...自分は此十町の無人境(むにんきやう)を一往返するを敢て労としなかつた...
石川啄木 「葬列」
...それは無人境の大地にあいている深い陥穽のようなものだ...
海野十三 「ある宇宙塵の秘密」
...無人境(むにんきょう)に聞く口笛――それは懐(なつか)しくなければならない筈のものだったけれど...
海野十三 「恐怖の口笛」
...まるで無人境を踏破しているかのように...
海野十三 「深夜の市長」
...月世界の無人境説(むじんきょうせつ)の上に...
海野十三 「月世界探険記」
...冬になればこのへんはほとんど無人境になるそうであるから...
寺田寅彦 「軽井沢」
...無人境が無くならぬ内遊びに来い遊びに来いと...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...北海道の真中に当る方数十里の大無人境は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...然し余等は無人境のホンの入口まで来たばかり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...必彼大無人境を拓(ひら)くであろう...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...この目的のためには市中において放水路の無人境ほど適当した処はない...
永井荷風 「放水路」
...薄野原の無人境よりはいっそう荒涼たるものに見える...
中里介山 「大菩薩峠」
...無人境の一得には...
中里介山 「大菩薩峠」
...まるで無人境みたいにさびしくなっていった...
林芙美子 「美しい犬」
...朝の落葉松林は無人境です...
林芙美子 「谷間からの手紙」
...――無人境のやうな...
林芙美子 「風媒」
...ヤクーツク自治共和国に属する朔北(さくほく)の無人境である...
久生十蘭 「地底獣国」
...まるで無人境のようにひっそりしてしまった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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