...天聲の周旋と奔走とを無にしてしまつてもかまはないと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...僕の好意を無にしてはいけませんよ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...何にしても菅野の姉さんが折角そう云って来てくれた好意を無にしては...
谷崎潤一郎 「細雪」
...数々の犠牲を払って迄も庇(かば)ってやった好意を無にして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...澄太君の温情を無にして申訳ないけれど...
種田山頭火 「其中日記」
...そこでかの無にして限定するものを考えることが必要になって来るのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...これまでの内心の苦闘を無にしてしまうことだった...
豊島与志雄 「反抗」
...この志を無にしてはならぬし――それに...
直木三十五 「南国太平記」
...そんなことを言っている場合じゃありませんぜ」せっかくの親切を無にして道庵先生は...
中里介山 「大菩薩峠」
...無にしてしまっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし公正な人格に逢うて、位地を無にし、金銭を無にし、もしくはその学力、才芸を無にして、人格そのものを尊敬する事を解しておらん...
夏目漱石 「野分」
...奥方の思召しを無にして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...奧方の思召しを無にして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その名はそれにより往々にして大豊作の見込を無にしてしまうところから出たものである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...親切に尋ねてくれる人へどうも致しませんと隠すような返事をするのは人の親切を無にしてかえって一層の不快を感ぜしめる...
村井弦斎 「食道楽」
...食慾の進むに任せて無闇(むやみ)に多食したりするようでは医者の尽力を無にしてしまう...
村井弦斎 「食道楽」
...この世の幸福も未来の幸福も共に無にしてしまうことになる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私たちは自然が準備してくれたこの厚誼(こうぎ)を無にしてはすまない...
柳宗悦 「工藝の道」
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