...烟に分れて幾段にも見ゆ...
大町桂月 「國府臺」
...ぽか/\と吹く風と共に烟(けむり)のやうにあたりに散るやうになつた...
相馬泰三 「夢」
...伽羅(きゃら)の烟(けむり)はけむったい油煙に過ぎず...
高村光太郎 「触覚の世界」
...烟塵暗く軍勢を戰馬を共に蔽ひ去る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...むかし向嶋の風景を見に行つた人達が藏前と鐘ヶ淵の烟突をいやがつたやうなもので...
永井荷風 「畦道」
...曉烟罩柳白於...
永井荷風 「十年振」
...その頃から世界の軍部を聳動した研究は無烟火藥であつた...
長岡半太郎 「ノーベル小傳とノーベル賞」
...一縷の烟も立たない三四十の萱葺の丈夫相に見える家が一つ所に聚つて居る...
長塚節 「才丸行き」
...母(はゝ)なるものは青(あを)い烟(けぶり)に滿(みち)た竈(かまど)の前(まへ)に立(た)つては裾(うづくま)りつゝ...
長塚節 「土」
...昔日の如くに炬火の残烟が暗中幾多の湍瀬に揺曳する詩趣はないが...
中村憲吉 「三次の鵜飼」
...夕餉(ゆふげ)の烟ほの白く空にただよふ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...一軒ごとの格子に烟草の無理どり鼻紙の無心...
樋口一葉 「たけくらべ」
...あれも矢(や)つ張(ぱり)いたづら者(もの)と烟管(きせる)を置(お)いて立(たち)あがる...
樋口一葉 「われから」
...悪い烟草の匂(におい)と汗の香とで噎(む)せるような心持がする...
森鴎外 「あそび」
...濃烟淡靄共蒼然...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...万里蒼波一鬨烟家(こうのえんか)みな掌中にあり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...丁度烟草(たばこ)を呑み始めたので...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...後ろに狼烟(のろし)を見たので...
吉川英治 「三国志」
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