...お定まりのカケ焔焼(えんせう)で烟(けむり)を出すなんか古い...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...雲散りて烟(かす)まず...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...熊はいでずして一山の破隙(われめ)こゝかしこより烟(けふり)をいだして雲(くも)の起(おこる)が如(ごと)くなりければ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...階下の群衆の頭の上を浮動して居る煙草(たばこ)の烟(けむり)の間を透かして...
谷崎潤一郎 「秘密」
...(たとへば君の『煤烟』のやうに……)私には決して自動的反動がなかつたとは思はれない...
田山録弥 「エンジンの響」
...火葬にしてるといふ事だが……此処から烟(けむ)位見えるかも知れねえ」と言つて向ふを見渡した...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...先に結びし*約束と誓いづくに今ありや?會議と男子の謀らひと盃擧げし約束と 340信を繋げる握手とはすべて烟と消ゆべきや?長時に亙り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そして熱は、香(かをり)を目に見えるものにして、烟のやうに、かの天体の方へと立ち昇らせてゐる...
ボードレール 富永太郎訳 「道化と※[#濁点付き片仮名ヰ、1-7-83]ナス」
...ポケツトに亞米利加の卷烟草を二箱ばかり入れて來たのであるが...
永井荷風 「羊羹」
...私はやはり元の床几(しょうぎ)に腰をおろして烟草(タバコ)を吹かしていた...
夏目漱石 「こころ」
...「何(ど)うも『煤烟(ばいえん)』は大変な事になりましたな」と大きな声で云つた...
夏目漱石 「それから」
...烟草(タバコ)を一本吹かしていると...
夏目漱石 「道草」
...雨(あめ)は烟(けむ)る樣(やう)に降(ふ)り始(はじ)めた...
夏目漱石 「門」
...身代烟(けふ)りと成りて消え残る我等何とせん...
樋口一葉 「大つごもり」
...一寸法師の生意気と爪(つま)はぢきして好い嬲(なぶ)りものに烟草(たばこ)休みの話しの種成き...
樋口一葉 「わかれ道」
...黒い烟(けむり)は松林にもかかって来た...
水上滝太郎 「九月一日」
...烟草を吸い附けながら...
森鴎外 「雁」
...又も一ぷく巨大な烟(けむり)の一団を吹き出した...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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