...その中に Venus Libentina の信者たる男女(なんによ)を点出したものに過ぎなかつた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...観音の境内や第六区の路地や松屋(まつや)の屋上や隅田河畔(すみだかはん)のプロムナードや一銭蒸汽の甲板やそうした背景の前に数人の浅草娘(あさくさむすめ)を点出して淡くはかない夢のような情調をただよわせようという企図だとすれば...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...今日の日本特有の所謂ファッショ風景を点出させる根本条件なのである(以下日本のファシズムと云う場合...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...現代のファッショ化したブルジョア哲学の漫画的一風景を点出した点にあるのである...
戸坂潤 「読書法」
...余が視界に点出(てんしゅつ)された...
夏目漱石 「草枕」
...忘れたる死を不用意の際に点出するから偉大なのである...
夏目漱石 「虞美人草」
...ただ夫人の名前だけを二人の間に点出して見た...
夏目漱石 「明暗」
...酒癖の浪人黒川孝蔵を無礼討にするこれがプロローグのように点出されている...
正岡容 「我が圓朝研究」
...嘘いつわりではないことが御合点出来たであろうと思うが――」呉羽之介はうっとりと...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...坂はなめらかなけいしやで街へつづいて居り街には灯が入つて豆腐売や夕暮のもの騒がしい景色を点出してゐます...
室生犀星 「ザボンの実る木のもとに」
...」「春二月」の三字にダアトが点出せられてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...後首の両聯に花火が点出してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...結二句には二十九歳になつた蘭軒が自己の齢(よはひ)を点出してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...さるにても神田は何故に点出せられてゐるだらうか...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蘭軒は元旦の詩に梅と書とを点出した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...壬辰の辰字が点出せられてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...脚色上仮想人物の点出も云う迄もなく...
吉川英治 「山浦清麿」
...衣裳のことを気にせられる女らしい中宮の面影などを点出しつつこの時の儀式を詳細に描いた後に...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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