...その中に Venus Libentina の信者たる男女(なんによ)を点出したものに過ぎなかつた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...八点出されるのが例になっており...
上村松園 「冷かされた桃割娘」
...どうにも合点出来なかった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...一人の自転車乗りを点出したものであったが...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...今日の日本特有の所謂ファッショ風景を点出させる根本条件なのである(以下日本のファシズムと云う場合...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...現代のファッショ化したブルジョア哲学の漫画的一風景を点出した点にあるのである...
戸坂潤 「読書法」
...花粉の黄を小さく点出した色彩は...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...半世紀のむかし青々とした樹木のあひだに唯一つ真白なペンキ塗の家屋の点出(てんしゆつ)せられてゐたのは...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...忘れたる死を不用意の際に点出するから偉大なのである...
夏目漱石 「虞美人草」
...すると思いがけない場所の名前が突然夫人の口から点出された...
夏目漱石 「明暗」
...旅商人を点出して場合を特殊化した所にこの歌の面目は存し...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...嘘いつわりではないことが御合点出来たであろうと思うが――」呉羽之介はうっとりと...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...」「春二月」の三字にダアトが点出せられてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...結二句には二十九歳になつた蘭軒が自己の齢(よはひ)を点出してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...茶山が元日の詩に年歯を点出した如くに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...突如として裸身の乙女がひく壮麗な車に乗って行った古代の帝王の豪華な姿を点出するといった風に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ぜひとも松の木を点出しようとする古臭い行平(ゆきひら)式を憎むのである...
柳田国男 「雪国の春」
...脚色上仮想人物の点出も云う迄もなく...
吉川英治 「山浦清麿」
便利!手書き漢字入力検索