...仕丁たちが投げる松明の火を浴びて炎々と燃え上つたのでございます...
芥川龍之介 「地獄變」
...かの八月の炎天の下...
石川啄木 「二筋の血」
...火炎にさえぎられて...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...その林の上では薄緑色の陽炎(かげろう)がはっきりと認められた...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...・よいゆふべとなりゆくところがない青炎郎君にかへし夾竹桃...
種田山頭火 「行乞記」
...あちこち歩いた線・はつきり見えて炎天の飛行機がまうへ・こんなに出来てくれて青紫蘇や青唐辛・つくつくぼうしあすから旅立つ私で・糸瓜ぶらりと地べたへとゞいた・かなかなのほそみちおりるはをとこにをなご・雑草ふかくほうづきのうれてゐる夕風・更けて戻れば風鈴は鳴つてゐるよい月夜...
種田山頭火 「行乞記」
...・どうにもならない矛盾が炎天・けふは蕗をつみ蕗をたべ(訂正再録)・ゆふべはよみがへる葉の大きく青く・のぼりつめたる蟻の青空・やつと芽がでたこれこそ大根・なんとかしたい草の葉のそよげども行乞・つかれてもどるそらまめのはな(再録)・草にうづもれうれしい石かなわかれてのぼる月をみて・ふるつくふうふう月がぼ(マヽ)るKおばさんがヒヨコリと来た...
種田山頭火 「其中日記」
...トロイア全部炎々の猛火のために滅ぶ時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...肺炎がまたぶり返しそうな気がしてならなかったので...
徳田秋声 「縮図」
......
中里介山 「大菩薩峠」
...顔を洗う水が足の甲に落ちても、すぐ風邪をひく含羞草(ミモザ)のような山川が、荒くれた異土(いど)の風雪に十日もつづけてあてられたら、敵の弾丸を待つまでもなく、肺炎かなにかで、がっくりいってしまうのだろう...
久生十蘭 「蝶の絵」
...二人とも網膜炎であったところでとめといた方が...
平林初之輔 「四月号の創作三つ」
...凱旋将軍の天に冲するばかりな意気に炎えて...
牧野信一 「山を降る一隊」
...炎天に皮膚の焼かるるを嫌(いと)うて泥に転がる...
南方熊楠 「十二支考」
...いかにやさしい恋の炎が心の中に燃えているにしても...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...はやくも、炎の柴は、こっちの舟団にぶつかって、凄まじい火を所きらわず撒(ま)きちらした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...この今の炎に焦(や)かれて苦しむよりは)何か怖ろしいことに意を決したらしいのである...
吉川英治 「親鸞」
...野火(のび)のような情炎で焼きつくした...
吉川英治 「平の将門」
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