...炉の下の大きなバケツのようなものの中へぼとぼとと重い響きをさせて落ちて行く...
芥川龍之介 「日光小品」
...暖炉(だんろ)の前へ陣取りながら...
芥川龍之介 「魔術」
...白樺の太い枝を炉にくべる...
石川欣一 「可愛い山」
...燈盍、香炉、花入いずれも間に合うばかりの物である...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...暖炉も指で叩いてみせた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...僅かに馬士歌(まごうた)の哀れを止むるのみなるも改まる御代(みよ)に余命つなぎ得し白髪の媼(おうな)が囲炉裏(いろり)のそばに水洟(みずばな)すゝりながら孫玄孫(やしゃご)への語り草なるべし...
寺田寅彦 「東上記」
...その床の間には、南画風の山水の軸物に、青磁の香炉、片わきに琴が立てかけてある...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...暖炉の上に小さな花束をもって来さえした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...炉のなかでは、大きな榾(ほだ)がぱちぱちと赤く燃え、隣近所の人々は、夕飯のために焙った鵞鳥の肉一片(ひときれ)とお酒一ぱいとにありつくために、交る交るやって来ます...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...揚げ板の中から炉の傍へ上って来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...総体を煖炉の傍(そば)まで持って来たが...
夏目漱石 「虞美人草」
...冬の囲炉裏(いろり)を囲みながら...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...真ちゅうの香炉(こうろ)にくやらす...
長谷川時雨 「西川小りん」
...又も炭をドシドシ炉の中に入れて前よりも一層非道(ひど)く燃やしましたが...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...大きい銅の香炉に線香が焚(た)いてある...
森鴎外 「蛇」
...七人は蓙(ござ)を頭から被(かぶ)って炉(ろ)のはたで睡ってしまい...
柳田国男 「年中行事覚書」
...そして大きな切炉(きりろ)の膠鍋(にかわなべ)から膠の煮えるにおいと薪(まき)のいぶりがむうとするほどな物をたちこめていた...
吉川英治 「私本太平記」
...炉を囲んでいる時間などなくなってしまったのである...
吉川英治 「新書太閤記」
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