...少し火桶を前へ押して...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...煎(い)つてゐる雛(ひな)のあられの花咲きつ遠ざけて引寄せもする春火桶(はるひおけ)三月七日 二百二十日会...
高浜虚子 「五百五十句」
...火桶に片手をかざして...
豊島与志雄 「画舫」
...分りゃしない」道也先生は火桶(ひおけ)のなかの炭団(たどん)を火箸(ひばし)の先で突(つっ)つきながら「御前から見れば馬鹿馬鹿しいのさ」と云った...
夏目漱石 「野分」
...細君は道也先生の丸火桶(まるひおけ)の前へ来て、火桶の中を、丸るく掻きならしている...
夏目漱石 「野分」
...秋の夜の薄冷えを火桶に凌(しの)ぎながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...火桶(ひおけ)もなく待(まち)あかしていたこともあった...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...ここに火桶があった」阿賀妻はだしぬけに一言そう云って...
本庄陸男 「石狩川」
...ひしと火桶を身に引き寄せては「野瀬の黒札...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...夫婦で仲よくくらしていたんです」「ふん」彼は火桶へ手をかざした...
山本周五郎 「あだこ」
...火桶(ひおけ)をすすめて坐った...
山本周五郎 「落ち梅記」
...火桶(ひおけ)で手指を暖めていると...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...火桶(ひおけ)には螢(ほたる)ほどの残り火があるばかりだし...
山本周五郎 「七日七夜」
...火桶(ひおけ)を遠くへ押しやり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...こんど幾つ」「四つになるのよ」おもんは火桶(ひおけ)の上へ半身をのしかけ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...みなさん火桶の側へ寄って楽にしてください...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...「ふむ、火桶」後醍醐は、侍者(じしゃ)の狂喜していう伝奏に、ふと暗中の御気配をゆるがして、「それはうれしい...
吉川英治 「私本太平記」
...火桶をかかえ込み...
吉川英治 「宮本武蔵」
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