...動かない焔を守つた火屋(ほや)...
芥川龍之介 「雛」
...その前に緑色の火屋(ほや)の小さいランプに明りが附けて供へてあつて...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...日本橋横山町二丁目の鍵屋(かぎや)という花火屋へせっせと買いに通ったものである...
淡島寒月 「亡び行く江戸趣味」
...ランプの火屋(ほや)を研(みが)いてゐた...
石川啄木 「足跡」
...薄暗く火屋(ほや)の曇つた...
石川啄木 「鳥影」
...蝋燭火(ろうそくび)へ紙火屋(かみぼや)のかかった灯(あかり)の向うへ...
泉鏡花 「歌行燈」
...たちまち図のごとき人面が火屋の裏面にあらわれ...
井上円了 「おばけの正体」
...洋燈は火屋(ほや)の一方が黒く鬼魅(きみ)わるく煤(すす)けていた...
田中貢太郎 「春心」
...荒火屋(アラビヤ)...
土井晩翠 「新詩發生時代の思ひ出」
...五分心(ごぶじん)を蒲鉾形(かまぼこなり)に点(とも)る火屋(ほや)のなかは...
夏目漱石 「虞美人草」
...細長い火屋の中が...
夏目漱石 「道草」
...花火屋に居候をしていたこともあるそうです」「それから」「煙草好きも伯次さんで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...天井から吊るされたランプの火屋(ほや)に...
火野葦平 「花と龍」
...蛾の戯れているランプの火屋(ほや)を...
火野葦平 「花と龍」
...花火屋、釣り堀船、いろ/\来り、賑かなり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夏場はことに賑やかで団扇(うちわ)片手に浴衣(ゆかた)がけ一家そろってぞろぞろ、花火屋、虫屋、金魚屋の前は人の山、今戸焼の鉢へ稗(ひえ)をまいて案山子(かかし)や白鷺をあしらった稗蒔(ま)き、風鈴のついた釣りしのぶなど下町のおかみさん唯一のお買物、江戸情調の名残りは明治の末年まで続いて、そろそろ新時代の絵ハガキ屋、いかがわしい特許品、バナナのたたき売り、メリヤスの投売りなどの跋扈(ばっこ)時代となり、市区改正や交通整理で縁日も追い追いに邪魔もの扱い...
山本笑月 「明治世相百話」
...丸火屋(まるぼや)の台ラムプの蔭に座って...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...銀の籠目(かごめ)の火屋(ほや)を掛けた手炉の端をそっと頒(わか)つぐらいなものだった...
吉川英治 「新書太閤記」
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