...向うに火の見の柱があるのが今氣がついた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...直ぐにその火の見の半鐘のかかった梯子へかけ上ろうとする用心は...
中里介山 「大菩薩峠」
...その阿波様の屋敷の火の見櫓の上から...
中里介山 「大菩薩峠」
...火の見柱の下で盗賊が狼に食われた前後のことでしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...翌日火の見櫓の下で...
中里介山 「大菩薩峠」
...夕陽既に村外れの火の見柱にかかり「コガー・コガー(註 古河)」と呼ぶ駅員の声も何とやらん夕淋しくそぞろに旅情をさそう...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...火の見えないのに半鐘を擦(す)るようなもので...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...その時誰かが火の見櫓にのぼることを提議した...
新美南吉 「登つていつた少年」
...火の見の上から鏡の中の賀奈女の顏がニツコリ笑つたのが見える筈もないし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...火の見櫓を見上げるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...横田若狭の邸内――板塀とすれすれに建てた火の見の下にやって行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...角櫓は火の見と素性はわかったが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ごく近い、火の見では、激しい摺(す)り半鐘(ばんしょう)のひびき!雪之丞は、今にも、咽喉笛に、爪を立てられて、いのちを落そうとした広海屋の、老いの初児(ういご)というのを、長崎屋三郎兵衛の手から事なくうばい取ったが、あとの、成りゆきを見さだめるために、いつまでも、この河岸に佇んでいることが出来ない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...更にこの「杉垣」は火の見の見える二階の白い蚊帳の裾にさす月があるの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...知音(ちいん)の者の家に灯火の見ゆるを幸(さいわい)に...
柳田国男 「遠野物語」
...真っ白な江戸の全市に火の見櫓(やぐら)の灯(ひ)が幾つも年の暮を見張るように灯(とも)されてあります...
吉川英治 「江戸三国志」
...程近いすじかい見附の夜を見守るお火の見の上から...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...裏河岸の火の見櫓(やぐら)から...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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