...部屋に瀰漫する香りが心地よい...
...公園中に瀰漫する桜の香りで春を感じる...
...煙が瀰漫しているので、窓を開けて換気しよう...
...会場には緊張感が瀰漫していた...
...喫煙室から出てきた人から煙が瀰漫している...
...宗教的感情が瀰漫(びまん)すると同時に...
芥川龍之介 「近頃の幽霊」
...そうなれば自由の空気は一般に瀰漫(びまん)する次第であるから...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...共産主義的組織観に向う第一歩として共産食堂の観念がいかに急速に各所に瀰漫しつつあるかを見る...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「共産食堂」
...ずつと飛んで東京の方を望むと乾坤に瀰漫してゐるやうに思はれる...
高濱虚子 「俳諧師」
...かういふ状態が長くつづけば一種の庶民的虚無主義が瀰漫し...
高村光太郎 「美の影響力」
...何と名人の一世に瀰漫してゐることか...
武田麟太郎 「落語家たち」
...以て疾病者の瀰漫せる彼の祖國を明るく再建せむとの理想に燃え...
太宰治 「「惜別」の意圖」
...密閉された室内に唄声だけが瀰漫(びまん)しつつあって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この広い世界のすべての存在が消えてしまって自分のからだの痛みだけが宇宙を占有し大千世界に瀰漫(びまん)しているような気がしている...
寺田寅彦 「柿の種」
...ことに町人の間に瀰漫(びまん)していて...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...一本のマッチをすればその光は全宇宙に瀰漫(びまん)してその光圧は天体の運動に幾分の変化を生じなければならぬはずである...
寺田寅彦 「方則について」
...現在瀰漫(びまん)するところの大衆作家諸君の作品は...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...何かあっというような物を作ってもらいたいという希望が案外瀰漫(びまん)しているようである...
中谷宇吉郎 「霧を消す話」
...我が国の朝野を通じて瀰漫している学問軽視の風潮の一つの現われに過ぎないのであろう...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...部屋中に瀰漫(びまん)するように仕組まれてありました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...露国の勢力がイリ一帯の地に瀰漫(びまん)しつつあるは...
日野強 「新疆所感」
...という気風が瀰漫して...
宮本百合子 「ある回想から」
...Palaestina の全土に瀰漫し...
森鴎外 「古い手帳から」
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