...下には紺碧の瀞水...
石川欣一 「山を思う」
...瀞潭の美は紀州の北山川にある...
田山花袋 「日光」
...私は降りしきる雨を衝いて、時には渓流の絶壁高く白く咲いてゐる花を仰いだり、時には大きく暗い瀑(たき)の畔に明るくあらはれてゐる花を眺めたり、山から山へと越えて行く山畠に添つた路に蛙の鳴声をなつかしんだりして、熊野から瀞八町、玉置山(たまきやま)、湯峰(ゆのみね)の温泉へと歩いて行つたことを思ひ出した...
田山録弥 「春」
...瀞(とろ)八町の谷...
田山録弥 「春雨にぬれた旅」
...これも瀞(とろ)につながれた筏(いかだ)のようにおだやかに...
中里介山 「大菩薩峠」
...長瀞(ながとろ)...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...どれとは瀞(とろ)と同じく靜まりかへる義であるとは...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...ところどころに瀞(とろ)をつくりながら暗い洞門の中へのろのろと流れ込んでいる...
久生十蘭 「地底獣国」
...「長瀞子ども」をまもりつづけてきた...
村山俊太郎 「『教室の記録』の編集を終えて」
...らくらくとこせる瀞(とろ)がある...
吉川英治 「神州天馬侠」
...渓流の瀞(とろ)に朽(く)ちたおれている腐木(ふぼく)の上を...
吉川英治 「神州天馬侠」
...瀞(とろ)のように穏やかで...
吉川英治 「新書太閤記」
...と見えたと思うとドブンと瀞(とろ)の水面に飛沫(しぶき)が上がり...
吉川英治 「新・水滸伝」
...瀞(とろ)八丁から奥瀞(おくとろ)までの探勝の美文は彼女のそらんじるまま口をついて出で...
吉川英治 「随筆 新平家」
...上瀞巡(かみとろめぐ)り往復三十分...
吉川英治 「随筆 新平家」
...と小魚のはねる流れの瀞(とろ)に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...水もまっ蒼な日陰の瀞(とろ)になっている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...尤もこの時の旅行は、中学時代の級友奥村輝光君の勧誘に従つたのであつて、主要な目標は、吉野から大峯山に登り、十津川を下つて、瀞八丁へ寄り、新宮、那智、潮岬などを見物するといふにあつた...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
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