...迂濶(うくわつ)に断言は出来ないらしい...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...態々(わざわざ)袒(かたぬ)ぎて大道を濶歩するもの...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...茂った森林の間をぬけては魅力に富んだ開濶地に出...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...前の盆のように濶(ひろ)かった腫物とは思われなかった...
田中貢太郎 「嬌娜」
...迂濶なこともできないとかねがね用心しているに違いなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...度量濶大(かつだい)にして...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...何か高遠な或いは迂濶な...
戸坂潤 「思想としての文学」
...自由に濶歩(かっぽ)するの力を人の魂に与うるものである...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...いささかの遅延を忍べばまだまだ悠々として濶歩(かっぽ)すべき道はいくらもある...
永井荷風 「日和下駄」
...迂濶だなどとは夢にも考えない...
夏目漱石 「虞美人草」
...曰く女」「希臘(ギリシャ)の哲学者などは存外迂濶(うかつ)な事を云うものだね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...宗皇帝が極めて瓢逸濶達な精神の持主であられることが判るのである...
久生十蘭 「魔都」
...まだ殆(ほと)んど手をつけていない濶(ひろ)いこの蝦夷地(えぞち)に...
本庄陸男 「石狩川」
...濶(ひろ)く湾入したイシカリの海を...
本庄陸男 「石狩川」
...雪之丞の、昨夜の、生き死の難儀に対する恐怖すべき追憶なぞは、どこにも残っていないような態度で、自由濶達に、演技をつづけているのを、じっとみつめて、唇を噛んでいるお初の胸の中は、さてどんなものであろう?彼女は、いきどおりに燃えて、三斎隠居一味に、彼の秘密を告げ口する決心が、ますますかたまってゆくのであろうか?と、ばかりは言えなかった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ただ林の濶(ひろ)い木の葉(は)がぱちぱち鳴っている〔以下原稿数枚?なし〕入れを右手でつかんで立っていました...
宮沢賢治 「学者アラムハラドの見た着物」
...横行し濶歩(かっぽ)した時代...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...彼はいつの間にか臆病な、窮屈な田舎出の家庭教師の仮面をかなぐり棄てて、濶達奔放、縦横無碍の調子で喋舌り立てる様になった...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
便利!手書き漢字入力検索