...目の光にさえもとのように大海にのみ見る寛濶(かんかつ)な無頓着(むとんじゃく)なそして恐ろしく力強い表情はなくなって...
有島武郎 「或る女」
...胸をそらして巴里(パリー)の町を濶歩してゐたテオフイユ・ゴオテエ...
薄田泣菫 「茶話」
...M君の濶達な人徳も...
太宰治 「小照」
...久濶を叙している...
林不忘 「安重根」
...時平が持ち前の濶達(かったつ)な笑いで打ち消した...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...首無の大人が城中の昔造りの広間や華麗な庭園内を濶歩しつつある馬鹿らしい光景がパノラマのように過ぎ去った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...如何にも之までの自然科学者らしい迂濶さだが...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...彼は自分の迂濶さに気づいた...
豊島与志雄 「反抗」
...却(かへ)つて迂濶(うくわつ)に山(やま)の中(なか)へ迷(まよ)ひ込(こ)んだ愚物(ぐぶつ)であつた...
夏目漱石 「門」
...附属炊事場などのある平濶な丘へつづき...
久生十蘭 「ノア」
...久濶(きゅうかつ)を叙し...
本庄陸男 「石狩川」
...驚くべくなよやかに濶歩しているアムラのほうへ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...それは迂濶(うかつ)なわたくしに取っては...
森林太郎 「『新訳源氏物語』初版の序」
...窓の外を指しつつ快濶(かいかつ)な口調で問うた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...はやいもの」まるで久濶(きゅうかつ)を叙(の)べ合っている旧友のようだった...
吉川英治 「上杉謙信」
...彼は室内を大股に濶歩(かっぽ)した...
吉川英治 「三国志」
...久濶(きゅうかつ)の情は尽きない...
吉川英治 「三国志」
...梅もそれぞれの客に女性らしい久濶(きゅうかつ)をのべた...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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