...慎(つつし)むべきものは濫作である...
芥川龍之介 「漱石山房の冬」
...(世界に日本の文壇ほど濫作(らんさく)を強ひる所はない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...――この作者早くも濫作(らんさく)をなすか...
芥川龍之介 「MENSURA ZOILI」
...これは彫刻というような特殊の芸術を需要の多いのに任せて濫作する弊……拙速を尚(とうと)んで...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...――今日は近来にない濫作駄作だつた...
種田山頭火 「行乞記」
...濫作一聯如件・みほとけに供へる花のしつとりと露・朝風のうららかな木の葉が落ちる仏間いつぱいに朝日を入れてかしこまりました・山へのぼれば山すみれ藪をあるけば藪柑子・山ふところはほの白い花が咲いて・によきによきぜんまいのひあたりよろし・山かげ...
種田山頭火 「其中日記」
...これからといふ肝腎(かんじん)な所にて衣食のために濫作し折角の文才もすさみ果て...
永井荷風 「小説作法」
...其處にも此處にも濫作家がゐるではないか...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...濫作ではなくたっぷり作品化して行ける発露を心に感じる状態はうれしいこと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...歌麿は余り売れて、濫作の結果、井戸を汲みつくしてしまったように消耗涸渇して、あの位晩年下らない作をつくった大天才は絵画史にも例が少い由...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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