...慎(つつし)むべきものは濫作である...
芥川龍之介 「漱石山房の冬」
...けれども彼は濫(みだ)りなさし出口はしなかった...
有島武郎 「親子」
...此暫々濫用せらるゝ「不感無覺」の語義を藝文の上より解する時は...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...自恃も自尊心も――すべて痛ましい愁嘆の氾濫に押し流されてしまった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...紙屑籠が直きに氾濫するのであるが...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...博士濫造の呼び声の高くなるのは畢竟(ひっきょう)学術研究者の総数の増加したことを意味し...
寺田寅彦 「学位について」
...先生であるというだけの特権を濫用してそっくりわが物にして涼しい顔をする場合もないとは言われないが...
寺田寅彦 「空想日録」
...更に強く更に烈しく打ちつける雨が其氾濫せる水の上に無数の口を開かしめる...
長塚節 「太十と其犬」
...それで単に山林の濫伐というような簡単な一つの原因で...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...これ男性の権能を濫用(らんよう)するのはなはだしきもの...
新渡戸稲造 「自警録」
...溢(あふ)れるような光の氾濫(はんらん)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それに自宅に居る時は決して勉強家ではないが濫書濫読の癖があるのでたまに汽車旅行などする時は...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...資本家や、資本家の傀儡(かいらい)どもが、商品を濫造(らんぞう)するように、濫造した、出来合いの御用思想だけが、思想だと思うことをやめて、僕らにゃ僕らの考え方、行ない方があることをハッキリ知らなきゃならないんだ」小倉は頭の中で、辞書のページでも繰ってるようにしていった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...桟敷にはたちまち勝手放題な罵声やら嘲笑が氾濫して蜂の巣を突き壊したような大騒ぎになった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...放蕩にしろ濫費にしろ...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...更(さ)らにその道の向うまで氾濫(はんらん)していた...
堀辰雄 「美しい村」
...秕政(ひせい)の眼目は濫賞濫罰(らんしやうらんばつ)にあつたらしい...
森鴎外 「椙原品」
...悪事濫行(らんぎょう)におよぶ徒(と)は首斬るぞと...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??