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饗庭篁村 「木曾道中記」
...春雨や人住みて煙(けぶり)壁を洩る物種(ものだね)の袋濡らしつ春の雨春雨や身にふる頭巾(づきん)着たりけり春雨や小磯の小貝濡るるほど滝口(たきぐち)に灯を呼ぶ声や春の雨ぬなは生(お)ふ池の水(み)かさや春の雨夢中吟春雨やもの書かぬ身のあはれなるこの蕪村の十二句は目に訴へる美しさを...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...なお濡るるを恐れておった卑怯者も...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...猶濡るゝを恐れて居つた卑怯者も...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...法衣の濡るゝを覺えず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...その泣き濡るる顔を差し覗きました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...泣き濡るゝお袖に繩を打つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...袖(そで)濡(ぬ)るるこひぢとかつは知りながら下(お)り立つ田子の自(みづか)らぞ憂(う)き古い歌にも「悔(くや)しくぞ汲(く)みそめてける浅ければ袖のみ濡るる山の井の水」とございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...袂(たもと)濡るるという恨みの表現法から離れられないものだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かたみぞと見るにつけても朝霧の所せきまで濡るる袖かなこの歌を心にもなく薫が口に出したのを聞いていて尼は袖を絞るほどにも涙で濡らしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ああ大丈夫の志、満腔(まんこう)、歓喜の涙に濡る...
吉川英治 「三国志」
...身は汗に濡るるばかりで...
吉川英治 「三国志」
...そっと体を横に捻(ねじ)って、床下(ゆかした)から上を覗(のぞ)くと、銀五郎の半身は、濡るるを忘れて、弦之丞の帰りを気づかいながら、また独りごとを洩らしている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「濡るる」と言えば雨露に濡れるとともに涙に濡れることを意味し...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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