...俄(にはか)に息苦(いきぐる)しい煙(けむり)になつて濛濛(もうもう)と車内(しやない)へ漲(みなぎ)り出(だ)した...
芥川龍之介 「蜜柑」
...空も遠くの方も濛濛たる煙に覆われて...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...山西はびっくりして蒸気(ゆげ)の濛濛(もうもう)と立っている鍋越しに小女(こむすめ)の方を見た...
田中貢太郎 「水魔」
...晴天風烈しく路忽乾きて砂塵濛濛たり...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...軍隊通行する軍隊の印象この重量のある機械は地面をどつしりと壓へつける地面は強く踏みつけられ反動し濛濛とする埃をたてる...
萩原朔太郎 「青猫」
...鞦韆の背景を描き出した詩には、周復俊の芳草萋時花壓谷、高臺望處柳彌川といふ句、元の薩都刺の寒梅零落春雪灑と云ひ澹黄楊柳未成陰、と云ひ又畫樓深處迎春歸、鞦韆影裏紅杏肥、濛濛花氣濕人面、東風吹冷輕羅衣などといふ句、それに王問の東風桃李鬪芳辰、城邊陌上啼鶯新といふ句もある...
原勝郎 「鞦韆考」
...ここの高い煙筒だけ一本濛濛(もうもう)と煙を噴き上げていた...
横光利一 「微笑」
...晶子が室内に濛濛(もうもう)として出場(でば)を失つて居る煙草(たばこ)の煙に頭痛を感じると云ふので十二時少し過ぎに帰つて来た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...濛濛(もうもう)と渦巻く煤煙(ばいえん)と...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...この工場は特に硅石を粉末とする機械から白濛濛たる繊塵を飛揚する所である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...自飛二晴野一雪濛濛...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...白い砂埃が濛濛としてゐるのと...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...灰白の砂塵が濛濛と舞ひ揚がる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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