...まだ混沌(こんとん)漠々たる濃密な大気に閉ざされていた...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...ルビーやエメラルドのような一つ一つの灯は濃密な南国の夜の空気の奥にいきいきとしてまたたいている...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...まるで申し合わせたように濃密な黄金色の雪を降らせるのであった...
寺田寅彦 「藤の実」
...青黒色の濃密な集団となった雲は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...水のにじみ出そうな濃密な紫紺の大空が四方にひろがり...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...この濃密な湯気の綾の目にも...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...そしてそのような小さな世界によって存在しているまったく濃密な形而上的な類推というものもほんとうにはわからない...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...湯気よりも濃密な白い煙が...
山本周五郎 「青べか物語」
...濃密な雪の中からその大鹿があらわれたとき...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...鶯が衰えた声で濃密な葉の中で鳴いているのを聞きつつ...
横光利一 「欧洲紀行」
...丘は街の三条の直線に押し包まれた円錐形の濃密な草原で...
横光利一 「街の底」
...思慕の情はかえって濃密な気持を双方に起こさせました...
吉川英治 「江戸三国志」
...太陰畢星(たいいんひっせい)に濃密な雨気がある...
吉川英治 「三国志」
...それほど辞典のエキスは濃密なのだ...
吉川英治 「辞典のすすめ」
...夜明けの一頃(ひところ)は濃密な霧だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...濃密な複雑さをつつんで...
吉川英治 「新書太閤記」
...二人の友情は肉親も及ばないほど濃密なのである...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...キメの細かい濃密な霧のある日であった...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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