...かくして政治はますます道義的宗教的色彩を濃厚にし...
石原莞爾 「新日本の進路」
...濃厚にもしたことであった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...神子クリストもその人間性は漸次稀薄にせられて神性を濃厚にせられ...
田辺元 「メメント モリ」
...東京へ近よるに従って東京の匂いがだんだんに濃厚になるのがはっきり分かる...
寺田寅彦 「異質触媒作用」
...それらの説話の中にその国々の気候風土の特徴が濃厚に印銘されており浸潤していることである...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...先生達の大学生時代の思出話などは最も濃厚に生徒等の夢を彩つた...
寺田寅彦 「蓑田先生」
...若くてのんきで自由な頭脳を所有する学生諸君が暑苦しい研学の道程であまりに濃厚になったであろうと思われる血液を少しばかり薄めるための一杯のソーダ水として...
寺田寅彦 「量的と質的と統計的と」
...その不安な空気を更に濃厚にした...
豊島与志雄 「電車停留場」
...六十一 更に夜半以後の有り様は又凄絶だ、天に広がる原元子は、濃厚に、濃厚に成り行きて、地上の明るさは、今までの天然には類をも見ぬ異様なる色を呈した...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...一座の空気が次第に濃厚になると...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...まだ濃厚に残っていた差別待遇を諷(ふう)した作を残している...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...煙突の煤(すす)は濃厚に人間の脂肪を含んで居り...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...琉球の郷土色が濃厚に出て居て珍しい集である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...村井に対する疑いが濃厚になってきたのであるが...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...濃厚に化粧をした顔のように素顔も見えてほの赤くにおわしいのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...漸くイタリアの風景濃厚になって来る...
横光利一 「欧洲紀行」
...その無気味な沈黙に疑いの影が濃厚になり...
横光利一 「夜の靴」
...彼こそ未然に光秀の計画を知っていた唯一人だ――という嫌疑を一時濃厚にかけられたであろうことも想像するに難(かた)くない...
吉川英治 「新書太閤記」
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