...一言で云つて了へば彼にはコンゼクエンツを要求する氣分が隨分濃厚に働いてゐたのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...そこには明らかにファシズム的色彩が漸次濃厚に達しつつあるではないか...
石原純 「社会事情と科学的精神」
...年と共に濃厚になり...
海野十三 「火葬国風景」
...*今日われわれ仲間の句であって主観の濃厚に出ている句であっても...
高浜虚子 「俳句への道」
...かういふ場所には地方的特色が可なり濃厚に出てゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...見物気分がいやに濃厚になつてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...中学時代の染(そ)みやすい頭にこの『徒然草』が濃厚に浸み込んでしまったには相違ないであろうが...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...日本人のそれのように濃厚に圧縮されたそうして全国民に共通で固有な民族的記憶でいろどられたものではおそらくあり得ないであろうと思われる...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...異様に濃厚にとざしている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...お仙に関わる疑いが濃厚になると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...本土決戦の気配は次第にもう濃厚になつてゐた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...軽微な伝染病は表全体にかなり濃厚に分布している...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...そんな晩に限って特別に濃厚に...
夢野久作 「奥様探偵術」
...源氏のブル化が次第に濃厚になって...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...パリーの伝統の一番濃厚に出ている町であるからだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...濃厚にそれが看(み)てとれた...
吉川英治 「新書太閤記」
...古代日本の原始的な一面を濃厚に持って生れて来たらしい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...性格や気質の上にもかなり濃厚に父親似が感ぜられた...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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