...カーの諸作中最も神秘学的色彩の濃厚な作品である...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...濃厚な熱烈な灼くやうな光を持つて...
田山録弥 「明治文学の概観」
...おれの思いも及ばない濃厚な情感が...
豊島与志雄 「朝やけ」
...鹽田のある所を見ると濃厚な鹽分を含有して居るのであらうが汀に近く星月夜の草村が茂つて居たり僅ながら青田が作つてあつたりするところはどうしても淡水の湖としか見えぬ...
長塚節 「白甜瓜」
...暴威を逞(たくま)しくしていた太陽に忽(たちま)ち濃厚な雲が掛かった...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...なるほど事件の裏には濃厚な犯罪の匂いがありそうです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かなり濃厚な催眠薬が交って居ることが発見されました...
野村胡堂 「葬送行進曲」
...どんな濃厚なものでも(どちらかというと私自身は少し濃厚なものが好きであり...
平林初之輔 「「陰獣」その他」
...重たい濃厚な食事をとった後...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...珈琲は濃厚なものですから淡白なお菓子を出しますし...
村井弦斎 「食道楽」
...そこへ坐ると濃厚な香りがぱっとひろがって...
山本周五郎 「百足ちがい」
...内院の廊の壁に坊さん達の肖像を濃厚な色彩で描(か)いたのが大半剥(は)げて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...濃厚な夜化粧(よげしょう)をいつのまにかして...
吉川英治 「江戸三国志」
...その変心ぶりの濃厚な者は中西新八郎という一将だった...
吉川英治 「黒田如水」
...総じて船首の飾りや船楼は濃厚な色彩で塗りたて...
吉川英治 「三国志」
...もっとも平家色の濃厚な人物である...
吉川英治 「源頼朝」
...濃厚な脂粉の気も漂うのだが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...それだけにまた濃厚な諧謔をもって全体を包まなければならなかった...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
便利!手書き漢字入力検索