...星尾とみどりの嫌疑の濃厚なのに比べて...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...悪夢の様に濃厚な色彩の...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...カーの諸作中最も神秘学的色彩の濃厚な作品である...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...個人の一挙一動は寒天のような濃厚な媒質を透して伝播(でんぱ)するのである...
寺田寅彦 「田園雑感」
...誰にでも濃厚な實感のある春雨とか秋風とかには古今を通じて非常に多數な句がある...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...この出来事によって今年の夏の暑さの記憶は相当に濃厚なものになるであろうと思われる...
寺田寅彦 「夏」
...恐らくは彼れが如く濃厚ならざる可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼らの濃厚な馬鹿(ばか)さ加減は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...思いきった濃厚な当てっぷりを見せてやろうと...
中里介山 「大菩薩峠」
...かつあまりに直線的に濃厚なのを平生から怪んでいた...
夏目漱石 「それから」
...暴威を逞(たくま)しくしていた太陽に忽(たちま)ち濃厚な雲が掛かった...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...なるほど事件の裏には濃厚な犯罪の匂いがありそうです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...支那の各地を遍歴してかなり排日の空気の濃厚な地方も歩いたが...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...いちど抹殺して架空の人物としてしまった大江春泥をひっぱり出してこれに濃厚な嫌疑を向けている...
平林初之輔 「「陰獣」その他」
...あまりに濃厚な味で...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...早くも彼女の濃厚な化粧と...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...さう濃厚な世相現象とは考へてゐなかつた...
吉川英治 「折々の記」
...その変心ぶりの濃厚な者は中西新八郎という一将だった...
吉川英治 「黒田如水」
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