...親しみをひとしほ濃やかならしめるやうな陰影が横たはつてゐることを感じた...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...濃やかにぼかされて雀は屋根の上に飛び出して來て揃つて啼き出す啼く音がだん/\高くなる...
千家元麿 「自分は見た」
...恋愛結婚のごとく情愛すこぶる濃やかなものとなつた...
高田保 「恋文」
...濃やかな紅の色彩が何とも言はれない...
田山録弥 「初冬の記事」
...二人の情交の濃やかであったことを聞けばきくほど身体に血の通いが止まる心地がしながら...
近松秋江 「霜凍る宵」
...情愛の濃やかな女房振りです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...社会上流の軍官貴紳に比して却つてその情誼のほどの濃やかにも美しかつたことを立証して余りあるものであらう...
正岡容 「下谷練塀小路」
...盛夏は夏萩が濃やかに門人ぽん太の墓碑を覆ひかくすのが常である...
正岡容 「根津遊草」
...近松は色彩濃やかなさまざまのシチュエーションの中に描き出している...
宮本百合子 「新しい船出」
...この女優はその歌にほんとうの濃やかな味わいがないとおりに...
宮本百合子 「映画女優の知性」
...クマラスワミーとは友情が次第に濃やかになり...
宮本百合子 「思い出すこと」
...凝っとテーブルの一点に据えている瑛子の睫毛の濃やかな眼から...
「海流」
...きめの濃やかさというようなものを感じ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...たたみこまれている味は非常に濃やかで且つ複雑で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...葉を益濃やかにしている枝々に...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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三好達治 「短歌集 日まはり」
...濃やかな緑葉のあいだに...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...母子(おやこ)の愛情は蜜より濃やかであったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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