...掘割を隔てた真向いの丘のかげが濃く沼岸の方へ伸びている...
犬田卯 「米」
...濃化粧の魔女のはく息は...
大手拓次 「藍色の蟇」
...この日は濃霧濛々として眺望少しも開けざりき...
大町桂月 「秋の筑波山」
...眉の濃い、頬の豊かな、笑顔の美しい、耳かくしに結(い)つて巧みに髪をウエブさせた女、髪を短く断つて快活に街頭を歩いて行く女、電車の混雑の中にチラリと見た美しい眉……...
田山録弥 「赤い鳥居」
...濃い頤髯(あごひげ)のあるイタリー音調のひとりの男が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...濃厚な色を見れば胸ぐるしい圧迫を感じるのが常であつたが...
中勘助 「銀の匙」
...ところは、信濃の国の、白骨の温泉への山路を急ぐ一人の旅人がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...信濃の僧も来た...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...濃紅色(のうこうしょく)の点がある...
牧野富太郎 「植物知識」
...ここは信濃俣河内の西沢のツメに当っており...
松濤明 「春の遠山入り」
...肉親の濃いものを身に感じて...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...そうしてたった一人あとに残った濃紅姫を...
夢野久作 「白髪小僧」
...所謂浅草気分は数層倍濃厚になった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...旧領信濃に帰って...
吉川英治 「上杉謙信」
...白地絖(しろじぬめ)に葦手(あしで)模様を小紫濃(こむらご)のなかに散らした小袖...
吉川英治 「私本太平記」
...堀口美濃などの身内が...
吉川英治 「私本太平記」
...彼こそ未然に光秀の計画を知っていた唯一人だ――という嫌疑を一時濃厚にかけられたであろうことも想像するに難(かた)くない...
吉川英治 「新書太閤記」
...くらやみの太陽一美濃(みの)の稲葉山の牢に...
吉川英治 「茶漬三略」
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