...濁り酒のかすに酔って...
泉鏡花 「歌行燈」
...省作は庭場の上がり口へ回ってみると煤(すす)けて赤くなった障子へ火影が映って油紙を透かしたように赤濁りに明るい...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...ささ濁りに濁った水の中に...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
......
種田山頭火 「旅日記」
...沙場に伏して濁りたる波に空しく浸らしむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...銘酒屋を題材にして『濁り江』という抒情的(じょじょうてき)な傑作を書いたのも...
徳田秋声 「縮図」
...濁りのない純な光が輝いていた――が或はそれも...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...彼女は英子の何処か濁りのある声とは似てもつかぬ美しい声を持っていた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...――一九二八・九――濁り酒十月×日焼栗の声がなつかしい頃になった...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...青ぞらが緑いろに濁り...
宮沢賢治 「グスコーブドリの伝記」
...所謂キレイな色ほどひどく濁り...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...仕事……演目の配列などに濁りが生じて来た」と言っている...
三好十郎 「俳優への手紙」
...気持が澄んで一点の濁りもないところに...
室生犀星 「玉章」
...あたまが濁り怺へかねてゐるときにも...
室生犀星 「笛と太鼓」
...関ヶ原の曠野と盆地をうねる河川は真っ赤に濁り...
吉川英治 「大谷刑部」
...ひたぶる何かを呪(のろ)うが如く赤い濁りをおびていたおん眼のうちも...
吉川英治 「私本太平記」
...鳴るわ鳴るわ」「怒(いか)るわ怒るわ――鳴門の渦!」「洗えや鳴門――」「澆季(ぎょうき)の濁り世」ポーン! と三位卿...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...この滔々(とうとう)と濁りきっている元禄の時流が革(あらた)まると期しておられるなら...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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