...そのすき間というすき間には蟻(あり)の穴ほどな余地もなくどっしりと濁り水が押し詰まっている...
伊藤左千夫 「水籠」
...小便の濁りをしらべられるあのコップへ小便をする直前に...
高見順 「いやな感じ」
...濁り江の底なき水に交りて...
高山樗牛 「一葉女史の「たけくらべ」を讀みて」
...濁り水を常用してゐるせいか...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「旅日記」
...彼女は英子の何処か濁りのある声とは似てもつかぬ美しい声を持っていた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...空気は塵芥に濁り...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...その清らかさが変に濁りを帯び...
豊島与志雄 「反抗」
...町の中なる堀割の水は濁りて橋のした...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...はじめて女史の作が劇として上場されたあの「濁り江」は...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...濁りを湛へたばすであると思ふと――私は何といふこともなしに吻つとして...
牧野信一 「心象風景」
...斯んな虚言を吐く男の眼は何んなに上釣り且つ濁りつつ光っていることであろうか...
松永延造 「職工と微笑」
...全(まった)くその水の濁りようときたら素敵(すてき)に高尚(こうしょう)なもんでした...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...仕事……演目の配列などに濁りが生じて来た」と言っている...
三好十郎 「俳優への手紙」
...連子窓(れんじまど)の障子がうっすら白んでいるようにみえた、頭は濁り、躯はふらふらし、なにかのぬけがらのような感じである...
山本周五郎 「おれの女房」
...これを耳の濁りという...
吉川英治 「三国志」
...ささ濁りもせぬ水のように澄みきっているのだった...
吉川英治 「源頼朝」
...次第にまた濁りのない旅心地になつて來た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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