...新之丞(しんのじょう)と申すものが大病なのでございますが……」女はちょいと云い澱(よど)んだ後(のち)...
芥川龍之介 「おしの」
...臭気がたいへん濃く沈澱(ちんでん)している地区と...
海野十三 「蠅男」
...向間藤の沈澱池が溢流していること...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...愚しさとの澱み滞つてゐる水のほとりにゐて...
薄田泣菫 「独楽園」
...しかも、言葉の後半は、口の中で澱んで、ああ、とか、うう、とかいふやうにしか聞えない...
太宰治 「お伽草紙」
...私が言い澱(よど)んでいるので...
太宰治 「市井喧争」
...――」言ひ澱んで...
太宰治 「火の鳥」
...真っ青な水の澱(よど)んだ広々とした沼があって――それも一個人所有の池とも思えぬくらい広々とした沼があって...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...先日のリュミエール会社のオートクローム板は三色の澱粉を混合して作ったものだが...
寺田寅彦 「話の種」
...沈澱したような四辺(あたり)の寂寞(せきばく)を掻き乱して行くほかは...
徳田秋声 「黴」
...この色彩は画面を洗ひし水桶(みずおけ)の底に沈澱(ちんでん)したる絵具を以て塗りたる色の如くむしろ色と呼ばんよりは色なる感念(かんねん)を誘起せしむる色づきし雲の影とやいはん...
永井荷風 「江戸芸術論」
...さもなければ怜悧(りこう)な鮭(さけ)が澱(よど)みに隱(かく)れて動(うご)かぬ白晝(ひる)の間(あひだ)のみぐつたりと疲(つか)れた身體(からだ)に僅(わづか)に一睡(すい)を偸(ぬす)むに過(す)ぎないので...
長塚節 「土」
...病悪は軽しと助けの手をのべ給ふ……」少しの澱(よど)みもなく伊庭はすらすらと...
林芙美子 「浮雲」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...水は青いぬらで澱(よど)んでいた...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...イーストは醗酵性(はっこうせい)のものでチャスターゼを含むから澱粉(でんぷん)の消化を助けるのと膨脹(ぼうちょう)しているからよく胃液を滲入(しんにゅう)させるのと二つの理由で消化が良いさ」小山「窒素質の食物...
村井弦斎 「食道楽」
...これから製した澱粉はコというものには入れていない...
柳田國男 「食料名彙」
...息づまるものが澱(よど)んでいた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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