...この道のはてに澱(よど)みてげにこゝは「鬱憂(うついう)」の鬼が栖(す)む國...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...軽い失望と安心とが学士の胸に沈澱したと思った――その刹那(せつな)の出来ごとだった...
海野十三 「地球盗難」
...即ち命令は三十七項からなっていて、坑水、廃水に対する生石灰分の攪拌、沈澱池、雨水流入の防止、泥渣及びの堆石場、その堆石の崩壊防止、亜砒酸の烟結降沈、亜硫酸瓦斯の脱硫等に関して、除害設備と護岸砂防工事を命じたものであった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私が言い澱(よど)んでいるので...
太宰治 「市井喧争」
...後をすこしくいい澱(よど)んでいたが...
近松秋江 「霜凍る宵」
...曇り空の明るみが庭一面に澱んで...
豊島与志雄 「恩人」
...心の中に澱むような何かだ...
豊島与志雄 「故郷」
...全く空気の流れが止ったむし暑い澱んだ時間があるのを...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...下に沈澱する泥の量の測定とをする...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...伝三郎が納まらなかったのです」平次の話には何の澱(よど)みもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その晩は京都地方に特有のむしあつい晩で湿度の多い空気はおりのように重く沈澱して樹の葉一つ動きません...
平林初之輔 「祭の夜」
...その澱粉の灰色...
宮沢賢治 「女」
...撃破されたコンクリートの天井が黒い澱み水の上に墜ちかかっているのが...
宮本百合子 「女靴の跡」
...ジャガ芋の澱粉質(でんぷんしつ)は空気と温度とに逢うと糖分に変ずる...
村井弦斎 「食道楽」
...この都会の澱(よど)んでカスばかり溜った小路をあるきながら...
室生犀星 「幻影の都市」
...トウライ味噌豆の煮汁の底に澱んだものを多くの土地では...
柳田國男 「食料名彙」
...そして筏をドースンの製材所の傍の広い澱みに乗り入れる頃までには...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...黒く澱(よど)んだ夜の空気を引裂き...
蘭郁二郎 「鉄路」
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