...澎湃(ほうはい)と天に昇(のぼ)るのを聞いた...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...その澎湃たる人道的精神の影響はトルストイやドストエフスキイにも及んでゐるではないか? 若し夫れ英語の普及してゐる為に英吉利文芸を軽視するに至つては石や砂の普及してゐる為に日本アルプスを軽視するのと選ぶ所はない...
芥川龍之介 「平田先生の翻訳」
...其勇ましい唸き聲が、眞上の空を擘(つん)ざいて、落ちて四匝(あたり)の山を動かし、反つて數知れぬ人の頭を低れさせて、響の濤の澎湃と、東に溢れ西に漲り、甍を壓し、樹々を震わせ…………………………弱り弱つた名殘の音が、見えざる光となつて、今猶、或は、世界の奈邊(どこ)かにさまようて居るかも知れぬ...
石川啄木 「漂泊」
...恒河(こうか)の濁流(だくりう)は澎洋(ほうやう)として果(はて)も知(し)らず...
伊東忠太 「妖怪研究」
...世界に著(しる)き澎湃(ほうはい)たる怒濤が死ぬに死なれない多感の詩人の熱悶苦吟に和して悲壮なる死のマーチを奏する間に...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...4.大衆の不滿は交々移り變る歴代内閣の水車の上に澎湃として溢れ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...支那の独立性を保持するには打清興漢の大革命こそ喫緊(きっきん)なれとの思想が澎湃(ほうはい)として起り...
太宰治 「惜別」
...澎湃(ほうはい)として...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...これが実現した暁には北西の空からあらゆる波長の電磁波の怒濤(どとう)が澎湃(ほうはい)としてわが国土に襲来するであろう...
寺田寅彦 「北氷洋の氷の割れる音」
... 620澎湃としておしよする波濤の怒ものとせず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...十五歳を満二十歳と偽り軍夫になって澎湖島(ほうことう)に渡った経歴もある男で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...さてこの澎湃たる警察精神を以て...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
......
仁科芳雄 「國民の人格向上と科學技術」
...どんな一幕にも年代と共に次第に深まつて行く度量とでも云ふべき澎湃模糊たるものが感ぜられるのであつた...
牧野信一 「月評」
...澎湃たる絶望感とに沈湎して骨にならぬ限りは拓かるべき道もないとおもつてわたしはあのやうな山径ばかりを転々としてゐるのであるが...
牧野信一 「痩身記」
...澎湃(ほうはい)たる活力を持つことができない...
矢部貞治 「政治学入門」
...いまや澎湃たる太平洋の風雲をゆくてに臨みながら...
吉川英治 「折々の記」
...あの孱弱(かよわ)い少女の一身を賭(と)して澎湃たる世の濁流中に漕ぎ出したと...
若山牧水 「姉妹」
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