...響の濤(なみ)の澎湃(はうはい)と...
石川啄木 「漂泊」
...其勇ましい唸き聲が、眞上の空を擘(つん)ざいて、落ちて四匝(あたり)の山を動かし、反つて數知れぬ人の頭を低れさせて、響の濤の澎湃と、東に溢れ西に漲り、甍を壓し、樹々を震わせ…………………………弱り弱つた名殘の音が、見えざる光となつて、今猶、或は、世界の奈邊(どこ)かにさまようて居るかも知れぬ...
石川啄木 「漂泊」
...恒河(こうか)の濁流(だくりう)は澎洋(ほうやう)として果(はて)も知(し)らず...
伊東忠太 「妖怪研究」
...危礁亂立、怒濤澎湃の間、舟底を叩き、鰺數尾を投ずれば、出たりや出たり、數尺の大鯛、群りあひて溌溂として食を爭ふ...
大町桂月 「北條より一ノ宮へ」
...激浪の鞳澎湃たるを見て...
高木敏雄 「比較神話学」
...澎湃(ほうはい)として...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...澎湃(はうはい)とした潮流となつた...
田山録弥 「小説新論」
...十五歳を満二十歳と偽り軍夫になって澎湖島(ほうことう)に渡った経歴もある男で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...倦(う)まず息(やす)まず澎湃(ほうはい)として流れている...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...鹿渡しの岬に近づくと波は澎湃として船が思ひ切つて搖れる...
長塚節 「鉛筆日抄」
...澎湃として起って来た思想問題の嵐の一つの現われであったのであろう...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...澎湃たる絶望感とに沈湎して骨にならぬ限りは拓かるべき道もないとおもつてわたしはあのやうな山径ばかりを転々としてゐるのであるが...
牧野信一 「痩身記」
...澎湃たる嵐に等しい声援を放つてゐた...
牧野信一 「山彦の街」
...その澎湃(ほうはい)とした群衆の膨脹力はうす黒い街路のガラスを押し潰しながら...
横光利一 「上海」
...いまや澎湃たる太平洋の風雲をゆくてに臨みながら...
吉川英治 「折々の記」
...澎湃(ほうはい)たる威勢をもって聞え出して来たことは...
吉川英治 「新書太閤記」
...澎湃(ほうはい)として...
吉川英治 「随筆 新平家」
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