...冷やかに澄んだ夕暮の空気を...
芥川龍之介 「妖婆」
...水の澄んだ沼のほとりに...
太宰治 「陰火」
...澄んだ血色のせいであろうと思われましたが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...・けふも暑からう蓮の花咲ききつた・ここも空家で糸瓜の花か・風が落ちて雨となつた茄子や胡瓜や・夕立晴れた道はアスフアルトの澄んだ空・大橋小橋も新らしい国道一直線・やつぱりお留守でのうせんかづら青柳おしわけいたゞくや一銭銅貨・しんじつよい雨がふるいちじくの実も・よい雨の...
種田山頭火 「行乞記」
...眼には澄んだ奥深い光を湛えていたが...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...クリストフと同様に背が高く頑丈(がんじょう)であって、整った顔つき、淡懐な様子、澄んだ眼、真直な鼻、にこやかな口、美しい歯、愛想のいい態度、をもっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...保子の影深い澄んだ眼でじっと見つめられた...
豊島与志雄 「反抗」
...心持ちからか特に空気が澄んだように思えて...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...澄んだ深い海の底を覗くことは非常に恐ろしいものである...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...長い睫毛(まつげ)の下に澄んだ眼...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……滿洲へね……」「貴方のおうはさよくしていらつしたわ……」周次は皮膚の澄んだぼてぼてとふとつたくみ子の胸のあたりを眺め...
林芙美子 「多摩川」
...澄んだ聲音(こわね)で話してゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...秋の澄んだ空を幾つかの雁(かり)の通って行くことも宮のお心には孤独でないものとしておうらやましいことであろうと思われた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...底澄んだ静かさだった...
室生犀星 「後の日の童子」
...澄んだ声を張って鳴きながら...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そこへ群落して来た鶸(ひわ)が澄んだ空に点点と留っている...
横光利一 「夜の靴」
...澄んだ流れの水をすすろうとしていました...
吉川英治 「江戸三国志」
...その道の上に一メートルほどの深さで澄んだ水が溜まっている...
和辻哲郎 「夢」
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