...みんなに聞こえるほどはっきり澄んだ声で...
有島武郎 「或る女」
...調子面白い喇叭の音を澄んだ山國の空氣に響かせて...
石川啄木 「赤痢」
...屹度(きつと)恁(か)ういふ澄んだ美しい水などが見られぬだらうなどゝ考へた...
石川啄木 「天鵞絨」
...そのなかの一匹、ふらんす生れの小蟹は、澄んだ眼をして、かの大蟹のすがたをみつめました...
太宰治 「陰火」
...青扇は縁先に立って澄んだ星空の一端が新宿辺の電燈のせいで火事のようにあかるくなっているのをぼんやり見ていた...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...青澄んだ池の水は山の窪地にひっそりと湛えていた...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...濁つたり澄んだり...
種田山頭火 「其中日記」
...祈らるるような清く澄んだ大気があった...
豊島与志雄 「秋の幻」
...澄んだ眼を挙げてクリストフを珍しげにうちながめた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...澄んだ細い眼でささやきかけるのである...
中村地平 「南方郵信」
...こんなによく澄んだ目の色も...
久生十蘭 「あなたも私も」
...あたかも澄んだ高山空気を吸っているかのようだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...Fの青く澄んだ眼を...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...くろづるわたくしは澄んだ川で釣るのが好(すき)ですが...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...澄んだ空気の中にその声はこだまして長く尾を曳き...
矢田津世子 「茶粥の記」
...あまったれたような話しぶりとその澄んだきれいな声とは...
山本周五郎 「青べか物語」
...実にふかぶかとして澄んだ空だった...
横光利一 「旅愁」
...あの鈴形(すずなり)に澄んだ目も...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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