...あらゆる明るさの太陽等の下にヲンナはげにも澄んだ水の様に流れを漂はせていたがげにも静かであり滑らかな表面は礫を食べたか食べなかつたか常に渦を持つてゐる剥げた純白色である...
李箱 「狂女の告白」
...目が痛くなる程澄んだ空を見た...
石川欣一 「可愛い山」
...遠方の山、嵯峨たる岩、絵画的な舟や家、植物の豊富な色と対照、澄んだ青い水と、濃い褐色の海藻とは、芸術家の心をよろこばせるに充分であろう...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...』と澄んだ笑声がして...
石川啄木 「赤痢」
...笛が澄んだ空気を振はして...
石川啄木 「鳥影」
...それから澄んだ三白眼をくり抜く...
太宰治 「逆行」
...またあたりは妙に森閑(しいん)と静まり返って再び山の墓場は木の葉の落ちる音一つ聞えるくらいの侘しい澄んだ黄昏(たそがれ)の色に包まれ初(そ)めたが...
橘外男 「逗子物語」
...無心な子供の心や光の雫(しずく)みたいなその澄んだ青い眼が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...澄んだそのつつましい光に向かって...
永井隆 「長崎の鐘」
...澄んだ聲音(こわね)で話してゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...澄んだ類(たぐ)いなく輝く眼...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...あの面長の目の澄んだ美しい顔が...
正岡容 「寄席」
...坡たる郊外の澄んだ一日の上に...
三好達治 「測量船拾遺」
...「ディープ・パープルをやって下さい」歯切れよく澄んだ声でいった...
山川方夫 「その一年」
...よく澄んだ、きれいなその眼で見られると、自分のすべてが見透かされ、そして洗われるような気持がする...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...澄んだ大きい眼をしていて...
若杉鳥子 「独り旅」
...照り澄んだ日ざしのなかにほくらほくらと散り澄んで輝いてゐるのもいゝ...
若山牧水 「樹木とその葉」
...しかし澄んだ水の洪水というのは...
和辻哲郎 「夢」
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