...信越の空が桔梗色に澄み渡る秋の日に...
石川欣一 「可愛い山」
...これが特に秋の空の澄み渡るのを賞翫(しょうがん)するのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...風の音さへ澄み渡るはづき半(なかば)の夕暮の空...
高山樗牛 「瀧口入道」
...澄み渡る風に落葉ひゞきて...
高山樗牛 「瀧口入道」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...簾(すだれ)打つ風には悲壮の気満ち空の色怪しきまでに青く澄み渡るがまま隠君子(いんくんし)ならぬ身もおのずから行雲(こううん)の影を眺めて無限の興を催すもこの時節である...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...偐紫楼(にせむらさきろう)の燈火(ともしび)は春よりも夏よりも徒(いらずら)にその光の澄み渡る夜(よ)もやや深(ふ)け初(そ)めて来た頃であった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...その蒼白い光と澄み渡る深い空の色とが...
永井荷風 「霊廟」
...澄み渡るものかと思われるばかり...
中里介山 「大菩薩峠」
...澄み渡る秋の空、広き江、遠くよりする杭の響、この三つの事相(じそう)に相応したような情調が当時絶えずわが微(かす)かなる頭の中を徂徠(そらい)した事はいまだに覚えている...
夏目漱石 「思い出す事など」
...澄み渡る秋の空が鏡の如く光るは心行く眺めである...
夏目漱石 「幻影の盾」
...生え際の匂い、霞む眉、澄み渡る瞳、鼻筋が柔かに通って、唇の婀娜(あだ)めかしさは滴るばかり、第一、顔の色艶が活々として、人形とは思えない不思議な魅力があるのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...二月の空は南方(ミデイ)特有の深い紺碧に澄み渡る...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...人々は心の澄み渡るのを感じるのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...耳はすべての響に対して底の底まで澄み渡る...
夢野久作 「鼻の表現」
...夕景に成て空が澄み渡ると...
横瀬夜雨 「花守」
...心の底までも澄み渡るやうな光の中を...
吉江喬松 「山岳美觀」
...澄み渡る真如の月の冴えを見つめて...
吉川英治 「剣難女難」
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