...その音に引き入れられて耳を澄ますと夜の沈黙(しじま)の中にも声はあった...
有島武郎 「或る女」
...慄然(りつぜん)として耳を澄ますと...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...耳を澄ますと、時々舟が通るのかひたひたという波の音も聞えてくる...
相馬泰三 「六月」
...耳を澄ますと人のけはひである...
高濱虚子 「俳諧師」
...ラジオの防空情報に耳を澄ます...
太宰治 「お伽草紙」
...と言つて澄ます事にしよう...
太宰治 「お伽草紙」
...不安らしく階段の上に耳を澄ます...
林不忘 「安重根」
...気のせゐかも知れぬと耳を澄ますと...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...しばらく庭前の雨のおとに耳を澄ます風情(ふぜい)であったが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...幽婉縹渺(ゆうえんひょうびょう)として底知れぬ観である――不図耳を澄ますと...
牧野信一 「ゼーロン」
...耳を澄ますと小波(さざなみ)の音が幽かに聞えたが...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...耳を澄ますと、箱の中からごく微(かす)かに鼻を摘(つま)んでものを言っているような声が聞こえてくる...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...」と澄ますと、「本當にてめえのやうな圖圖しい書生に會つたことはねえ...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...そうして誰も通っていないのを見澄ますと...
夢野久作 「縊死体」
...あたりに人通りの絶えた処を見澄ますと...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...それに澄ます神経の下では何の沙汰もない...
吉川英治 「江戸三国志」
...天の星を澄ますような音色――それは...
吉川英治 「剣難女難」
...どこか貴族気どりに取り澄ますくせはあるが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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