...耳を澄ますようなけはいをさせた...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...熟(じっ)と耳を澄ますと...
泉鏡花 「霰ふる」
...渠は身を起して耳を澄ます...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あれがお道はんだすがな」「さうかあれがお道さんか」と余は又筬の音に耳を澄ます...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...他の小鳥もおりますがひわが一番多うございます」語るもの聞くもの森閑(しんかん)とした景色に耳を澄ます...
高浜虚子 「別府温泉」
...耳を澄ますようにしていた...
田中貢太郎 「地獄の使」
...耳を澄ますと、静寂...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...戸口の所で耳を澄ますと...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「飾るところなく、申せば――これは、某一存の推察でござるが、百城と、お身と、何か、お係り合いがござらぬか?」綱手は、考え込んでいたが、百城という名に、はっとして、心を澄ますと、係り合いがないか、と聞かれて「係り合いとは?」「さ、それは、いろいろとあって、申せることも申せないこともござるが――」「さあ――」「某の無礼を、お咎めなければ申そうが」「いいえ、咎めるの、何んのと――」「では――」と、いって、袋持は、じっと、綱手の眼の色を見ながら「約束事でも、あるか、無いか――したか、せぬか」綱手は、一寸、胸を、轟(とどろ)かしたが、もう、袋持も、邸も、女中頭も、兵太夫も――それから、世の中さえ、怖ろしくはなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...なるほど、耳を澄ますと、どこかで千鳥が鳴くような心持がします...
中里介山 「大菩薩峠」
...何だか耳を澄ますと空でさらさらという音を立てているような感じである...
中谷宇吉郎 「粉雪」
...門を入って耳を澄ますと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...耳を澄ますと川波の音のようなものがきこえる...
久生十蘭 「魔都」
...つくづくと耳を澄ますと...
久生十蘭 「魔都」
...おしまひにならないんだ!お秋 あ!(耳を澄ます...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...今にも突き出さんと撓(た)め澄ます光鋩(こうぼう)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...耳を澄ますと、それは嗄(しゃ)がれた、呻(うめ)く様な声で確かに書記の居(お)る室から来るらしい...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...川も眠れと啼き澄ます是らの鳥のはげしい寂しい啼聲を聽く時は...
若山牧水 「樹木とその葉」
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