...御忌(ぎよき)の鐘皿割る罪や暁(あけ)の雲つま猫の胸の火や行(ゆ)く潦(にはたづみ)夜桜に怪しやひとり須磨(すま)の蜑(あま)蚊柱(かばしら)の礎(いしずゑ)となる捨子(すてこ)かな人魂(ひとだま)は消えて梢(こずゑ)の燈籠(とうろ)かなあさましや虫鳴く中に尼ひとり火の影や人にて凄き網代守(あじろもり)句の佳否(かひ)に関(かかは)らず...
芥川龍之介 「点心」
...淺猿しい犬の屍を構へた潦の面は...
石川啄木 「散文詩」
...昨日の雨の名殘りの水潦(みづたまり)が路の處々に行く人の姿々を映して居るが...
石川啄木 「葬列」
...お定は慎しやかに水潦(みづたまり)を避(よ)けながら...
石川啄木 「天鵞絨」
...それから白い水潦(みずたまり)...
オイレンベルク Herbert Eulenberg 森鴎外訳 「女の決闘」
...水潦(にはたづみ)二五腰に至りき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...水潦紅き紐に觸りて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...水潦(みずたまり)が赤い紐に觸れて青が皆赤くなりました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...九 また新治の地なる者暴雨流潦の経る所に遇うがごとし――又如三新治地着遇二暴雨流潦之所一レ経...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
......
武田祐吉 「古事記」
...庭上雨潦河をなす...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...かかる溝川流るる裏町は大雨(たいう)の降る折といえば必ず雨潦(うりょう)の氾濫に災害を被(こうむ)る処である...
永井荷風 「日和下駄」
...家翁は生前より位階を欲せず失意の生涯を詩に托して清貧に甘んぜられしは其官職を去られし時、半生潦倒簿書叢...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...かゝる溝川(みぞかは)流(なが)るゝ裏町は大雨(たいう)の降る折(をり)と云へば必(かなら)ず雨潦(うれう)の氾濫に災害を被(かうむ)る処である...
永井荷風 「水 附渡船」
...王相の『雅述』にいわく兎は潦を以て鼈と為(な)り鼈は旱を以て兎と為る...
南方熊楠 「十二支考」
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三好達治 「短歌集 日まはり」
...そこの泥濘や潦(にはたづみ)の上に沁みた私のみすぼらしい黒ずんだ影が...
室生犀星 「星より來れる者」
...「午道氷消潦」の句があり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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