...御忌(ぎよき)の鐘皿割る罪や暁(あけ)の雲つま猫の胸の火や行(ゆ)く潦(にはたづみ)夜桜に怪しやひとり須磨(すま)の蜑(あま)蚊柱(かばしら)の礎(いしずゑ)となる捨子(すてこ)かな人魂(ひとだま)は消えて梢(こずゑ)の燈籠(とうろ)かなあさましや虫鳴く中に尼ひとり火の影や人にて凄き網代守(あじろもり)句の佳否(かひ)に関(かかは)らず...
芥川龍之介 「点心」
...朝に旅籠屋を立つてから七八哩の間は潦(みづたまり)に馬の足痕の新しい路を...
石川啄木 「散文詩」
...中央に一つ潦(みづたまり)がある...
石川啄木 「散文詩」
...潦の傍には、鋼線で拵へた樣な、骨と皮ばかりに痩せて了つた赤犬が一疋坐つてゐた...
石川啄木 「散文詩」
...潦(みづたまり)の中に仆れた...
石川啄木 「散文詩」
...昨日の雨の名残の潦(みづたまり)が路の処々に行く人の姿々を映して居るが...
石川啄木 「葬列」
...昨日の雨の名殘りの水潦(みづたまり)が路の處々に行く人の姿々を映して居るが...
石川啄木 「葬列」
...お定は慎しやかに水潦(みづたまり)を避(よ)けながら...
石川啄木 「天鵞絨」
...水潦(にはたづみ)二五腰に至りき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...胡人(こじん)の(かわぐつ)のごとくなる者蹙縮然(しゅくしゅくぜん)たり(五)牛(ほうぎゅう)の臆(むね)なる者廉※然(れんせんぜん)たり(六)浮雲の山をいずる者輸菌然たり(七)軽(けいえん)の水を払う者涵澹然(かんせんぜん)たり(八)また新治の地なる者暴雨流潦(りゅうりょう)の経る所に遇(あ)うがごとし(九)第四章はもっぱら茶器の二十四種を列挙してこれについての記述であって...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...九 また新治の地なる者暴雨流潦の経る所に遇うがごとし――又如三新治地着遇二暴雨流潦之所一レ経...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...潦は路上の流水...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
......
武田祐吉 「古事記」
...実際行潦(ぬかるみ)へ左の足を腓腸(ふくらはぎ)まで蹈み込んだ...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...かかる溝川流るる裏町は大雨(たいう)の降る折といえば必ず雨潦(うりょう)の氾濫に災害を被(こうむ)る処である...
永井荷風 「日和下駄」
...そこの泥濘や潦(にはたづみ)の上に沁みた私のみすぼらしい黒ずんだ影が...
室生犀星 「星より來れる者」
...地獄の水潦(ぬかるみ)で悪魔を威す姿だからな...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...河海(かかい)の行潦(こうろう)に於けるは類なり...
和辻哲郎 「孔子」
便利!手書き漢字入力検索