...幕に潜めるかの男は鼬(いたち)のごとく走り出で...
泉鏡花 「活人形」
...前後を一貫してその底深く潜めるところのものの上には何の変るところもなかったともいえるのである...
高浜虚子 「子規居士と余」
...真理の探究のために心を潜めるものは...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...彼女の前ではどんな女性も影を潜める...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...自分の身体を潜める神秘な楽しみが急に何処(どこ)かに消散してしまって...
豊島与志雄 「少年の死」
...物をうかがいしかも身を潜める男そのものを示していた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...飜(ひるがえ)つてこの頼りなき色彩の美を思ひその中(うち)に潜める哀訴の旋律(メロディ)によりて...
永井荷風 「江戸芸術論」
...知るべし女子の権力の那辺に潜めるかを...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...道ならぬ交際(まじはり)の潜めるが如き心地して...
永井荷風 「夜あるき」
...そして声を潜めるようにして...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...じっと思いを潜めることは...
中谷宇吉郎 「湯川秀樹さんのこと」
...まだまだ深く潜める無限の精神を開発することは吾々教育家も未だ力を込めんように私は感ずる...
新渡戸稲造 「教育家の教育」
...三それから半月経ったある日江戸の街々の甍(いらか)の上に泳いだ鯉幟(こいのぼり)が影を潜めると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いつごろからそういう古代人の死の考えかたなどに僕が心を潜めるようになったかと云いますと...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...禾本類の花に在てはその花被皆かくの如く縮小して小鱗片と成り以て花底に潜めるなり...
牧野富太郎 「植物記」
...道の向う側に身を潜める...
吉川英治 「私本太平記」
...しかしこう悠々と潜めるくらいなら夜半か暁を見ては...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...しかれどもこの影に潜める悪習慣を見よ! 吾人はあえて一二の例を取る...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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