...幕に潜めるかの男は鼬(いたち)のごとく走り出で...
泉鏡花 「活人形」
...心配さうに息を潜める)私にお話があるとおつしやるのですか?クログスタット はい...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...真理の探究のために心を潜めるものは...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...彼女の前ではどんな女性も影を潜める...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...自分の身体を物影に潜めることもいつしか彼に或る不思議な喜びを与えるようになっていた...
豊島与志雄 「少年の死」
...壮助は一寸物影に身を潜めるように身を引いて...
豊島与志雄 「生あらば」
...知るべし女子の権力の那辺に潜めるかを...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...そして声を潜めるようにして...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...じっと思いを潜めることは...
中谷宇吉郎 「湯川秀樹さんのこと」
...潜めるエレーンは遂に出現し来(きた)る期(ご)はなかろう...
夏目漱石 「薤露行」
...――浅草の寿座の楽屋裏に身を潜める事に致しました...
西尾正 「陳情書」
...うしろぐらいことがなかったら、何も恐いことなんかありゃしないじゃないか」山木は今にも泣き出しそうな顔になって、声を潜めると、「恐いことがあるんだ...
久生十蘭 「魔都」
...禾本類の花に在てはその花被皆かくの如く縮小して小鱗片と成り以て花底に潜めるなり...
牧野富太郎 「植物記」
...腐屍を禿鷹の餌食に曝す躯(むくろ)の上を荒れすさんだ村々の上を茫々たる杉松の密林に身を潜める火田民(かでんみん)の上を北鮮の曠野に萠える野の草の薫りを篭めて吹け!春風よ!夜中(よじゅう)...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...今日藪沢(そうたく)に潜める妖魅に化しおわったごとくなったものか...
南方熊楠 「十二支考」
...物言いも声を潜めるようになり相手をしてくれることもなくなった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...しかしこう悠々と潜めるくらいなら夜半か暁を見ては...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...身を潜める...
吉川英治 「源頼朝」
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