...年頃は漸う十六か七かと思われたが...
谷崎潤一郎 「刺青」
...漸うリヽーを下に置いて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それも漸う人心が落着いたこの頃のことであつた...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...姉は漸う眼をこすりながら起き上った...
豊島与志雄 「月明」
...辰代が漸う口を開いた...
豊島与志雄 「変な男」
...漸う/\三十余年前に佛蘭西と戰爭をして勝つたから...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...漸う/\學校を卒業したと思つたら...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...漸う/\月給三十圓ぐらゐだ...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...其様(そん)な日には雪江さんは屹度(きっと)思切て朝寝坊をして、私なんぞは徐々(そろそろ)昼飯が恋しくなる時分に、漸う起きて来る...
二葉亭四迷 「平凡」
...漸う巧く見附けたと思ったらすぐポカと手放して仕舞うんだもの...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...まだ漸う十五六の小娘の様に無邪気らしくて...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...漸うお久美さんの傍にピッタリと座って...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...その前の日に漸う床を離れた許りで...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...漸う息苦しくない呼吸を始めた時...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...私の魂はこのかすかな生を漸う保って居る哀れな妹の上にのみ宿って供に呼吸し共に喘いで居る...
宮本百合子 「悲しめる心」
...写経に至るまでの師匠の心の裡も漸う汲まれて...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...漸う、よちよち歩きはじめたばかりの三番目の子までが、まわらぬ口で、「ヤクダ、ヤクダ」と呼びたてて、寿女の背に乗りたがる...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...漸う山々が白くなりだした頃からはじまる...
矢田津世子 「凍雲」
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