...年頃は漸う十六か七かと思われたが...
谷崎潤一郎 「刺青」
...車道は漸う/\四山の群がる間をわけ登るに...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...それも漸う人心が落着いたこの頃のことであつた...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...姉は漸う眼をこすりながら起き上った...
豊島与志雄 「月明」
...辰代が漸う口を開いた...
豊島与志雄 「変な男」
...漸う/\學校を卒業したと思つたら...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...今となって漸(よ)う漸う眼が覚めた...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...漸う巧く見附けたと思ったらすぐポカと手放して仕舞うんだもの...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...漸うさぐり得た二人の話の緒をヒョイとわきから引っ浚っては楽しんで居る...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...漸うお久美さんの傍にピッタリと座って...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...その前の日に漸う床を離れた許りで...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...あやしげな山水の幅を掛けたりして漸う家らしくなった中に...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...漸う息苦しくない呼吸を始めた時...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...私の魂はこのかすかな生を漸う保って居る哀れな妹の上にのみ宿って供に呼吸し共に喘いで居る...
宮本百合子 「悲しめる心」
...漸う出来た私の智慧の庫(それは...
宮本百合子 「暁光」
...漸う、よちよち歩きはじめたばかりの三番目の子までが、まわらぬ口で、「ヤクダ、ヤクダ」と呼びたてて、寿女の背に乗りたがる...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...漸う山々が白くなりだした頃からはじまる...
矢田津世子 「凍雲」
...その点が今や漸う忘れられようとしているのである...
柳田国男 「年中行事覚書」
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