...僕は漫然とその次の「鎌倉漫筆」へ目を移した...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...漫然と桜を眺めてゐる...
芥川龍之介 「好色」
...私は独り漫然とくだらない事を考えていた...
芥川龍之介 「上海游記」
...漫然と一瞥(いちべつ)する...
芥川龍之介 「手巾」
...漫然と眼を頁の上に落した...
芥川龍之介 「手巾」
...骨折って始めから終わりまで漫然と読み通し暗唱したところで...
寺田寅彦 「案内者」
...普通漫然と考えられるのであるが...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...併しこの場合仮定されている期待が精密に規定されたものでなくて単に漫然としたものであったならば...
戸坂潤 「思想としての文学」
...従来経験の対象であるという意味に於て漫然と経験的空間と呼ばれているものにそれは起源を持つ...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...漫然とこの北上川の沿岸を漂浪しているうちには...
中里介山 「大菩薩峠」
...漫然としてこういう歎息と...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本派の俳諧師(はいかいし)これを称して朦朧体(もうろうたい)という忘月忘日 数日来の手痛き経験と精緻(せいち)なる思索とによって余は下の結論に到着した自転車の鞍(くら)とペダルとは何も世間体を繕(つくろ)うために漫然と附着しているものではない...
夏目漱石 「自転車日記」
...何事も漫然と表面(うわべ)だけを眺めて喜んでおられるのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...読者は漫然とそれを読んでゆくことはできない...
平林初之輔 「探偵小説の世界的流行」
...ただ漫然と山を歩いていることがきっと眼に見えぬ生命の大きな貯えになっているに違いない...
正宗白鳥 「登山趣味」
...沢を遡行(そこう)して登りつめたところから漫然と尾根を下ったり...
松濤明 「ピークハンティングに帰れ」
...ただ漫然と様子を見る位の考えで見物に来ていた...
夢野久作 「暗黒公使」
...ただ漫然といることでさえ...
横光利一 「上海」
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