...漫然と書見に耽(ふけ)っていると...
芥川龍之介 「疑惑」
...漫然と金口(きんぐち)の煙草(たばこ)を啣(くわ)えていた...
芥川龍之介 「路上」
...漫然と私自身を他の境界に移したら...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...漫然とどの女も自分とは関係のないものとして...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...漫然とそう云っているに過ぎない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...白雲は漫然と結束して宿を立ち出でると...
中里介山 「大菩薩峠」
...種がなくって」そういう二人が漫然として結びついた時に...
夏目漱石 「明暗」
...漫然と夜伽をしたりするほかどうする才覚もないらしく...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...言はば小宮山氏は何んにも考へずに俄づくりの公式をもつて漫然と問題に向ひ...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...読者は漫然とそれを読んでゆくことはできない...
平林初之輔 「探偵小説の世界的流行」
...話もなくなつてたゞ漫然と脚をひきずツてゐた...
牧野信一 「環魚洞風景」
...自分が登場者となつてゐる舞台をたゞ漫然と考へてゐたゞけなのである...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...沢を遡行(そこう)して登りつめたところから漫然と尾根を下ったり...
松濤明 「ピークハンティングに帰れ」
...漫然とただ想像によって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「ここらにいてみようか」漫然と...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ漫然と武力に絶対な恐怖をもつが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しばらく漫然として...
和辻哲郎 「地異印象記」
...ただ漫然と風習に従って土下座したに過ぎぬのです...
和辻哲郎 「土下座」
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