...彼の観測した星雲の中に極めて漠然とした緑色がかった蛍光様の光を放つものがあった...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...世の中の事に關する漠然とした方面では...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...ともすれば漠然として人生を考へる...
種田山頭火 「其中日記」
...といつたやうな物を漠然と眺めてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...勿論漠然とした大きな輪廓を描いて...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...漠然と心機一転を求めてる一人の男と...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...ある漠然としたとりとめもない圧迫が身に迫ってくるように感じた...
豊島与志雄 「過渡人」
...と彼は漠然と咄嗟に感じた...
豊島与志雄 「塩花」
...いつか頭の隅で漠然と感じられた...
萩原朔太郎 「ラヂオ漫談」
...あんまり漠然としているので...
林芙美子 「落合町山川記」
...予覚といったようなごく漠然としたものなのですが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それに近い感情はこの頃いつも彼女が意識の閾(しきみ)の下に漠然と感じつづけていたものだったが...
堀辰雄 「菜穂子」
...ただこの宇宙のような漠然とした心持ちだけで何年もの間をさまよいあるいているか」また...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...家族のものが枯木を積重ねたあのような庭口から出入りする筈はないが……」とそんな事を漠然と思耽っていると...
松本泰 「日蔭の街」
...そういう若いひとの漠然とロマンティックに描かれている友情という雲を...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...漠然とした直覚に応じただけである...
山本周五郎 「契りきぬ」
...事情を知らない者には漠然としていて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...漠然とではあるが...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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