...発田のことがいつも漠然と彼の胸に浮んでくるのであった...
梅崎春生 「黄色い日日」
...しかしこれも漠然としておっては目的を達しないのである...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...実に漠然と結婚の相手を探しあぐんで...
谷譲次 「踊る地平線」
...しかし四十余年前に漠然と感ぜられた疑問は今日に至っても依然たる不可解の疑問である...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...復古現象は今まで単に漠然とした復古主義でしかなかった...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...然し……漠然とした危懼が私を囚えていった...
豊島与志雄 「死ね!」
...漠然と話すつもりだったが...
豊島与志雄 「裸木」
...彼は対象の分らない漠然とした感激に包まれた...
豊島与志雄 「反抗」
...寝台の上に鶴子を横たえると漠然と突っ立っている宗皇帝の方へ振り返り...
久生十蘭 「魔都」
...最初の弱い漠然とした生存の意識へ浮び上がりかかっている自分に気がついた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...その女をそんな行爲にまで驅りやつた漠然とした動機は...
堀辰雄 「ヴェランダにて」
...漠然とした空の一角をにらみながら考えた...
本庄陸男 「石狩川」
...漠然とした会話をとり交してゐたのに...
牧野信一 「痩身記」
...一分前と同様な漠然としたテレた心と...
牧野信一 「白明」
...後になつて漠然とながら円朝を考へ出してゐたのであつた...
水野葉舟 「言文一致」
...漠然としたものではあったが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...漠然とした自分の顔いろでつつんでしまうのだった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...全体を漠然と描いておいて...
和辻哲郎 「院展遠望」
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