...凄じい程な華やかさを漠然と頭脳(あたま)に描いて見るに過ぎなかつたが...
石川啄木 「天鵞絨」
...風説は雲を攫むように漠然として取留めがなく...
内田魯庵 「四十年前」
...そんな漠然とした請願でなく...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ただ漠然とした變り易い意見を有するに過ぎないであらう...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...毛嫌いや嫌悪というような消極的な漠然とした情緒はまだ憎悪ではない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...彼は漠然と感じた...
豊島与志雄 「反抗」
...私はそんなことをすべきでないのを漠然と感じてゐたから……若しも私たちが次のやうな言葉を絶えず思ひ出さなかつたならば...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...漠然とした話に苦笑いだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...正しくこれは大学者の姿であるといふやうな漠然とした畏怖の念も涌き...
牧野信一 「文学とは何ぞや」
...今まで漠然として感じてゐたことを...
宮原晃一郎 「愛人と厭人」
...どちらに向っても抵抗しながらドイツの表現派の手法を模して漠然と新しい生活と芸術の感覚を主張して...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」
...漠然と暗示されたのでは編集上不安心で困ると...
宮本百合子 「ある回想から」
...わざと漠然とした用語をえらんだ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...漠然と殆ど雲のやうに起る嫉妬感があの女を蔽ひつつんでゐるとは思へない...
室生犀星 「はるあはれ」
...第八章 無為についてモンテーニュはここに漠然と簡単ながら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...はなはだ漠然としているが...
山之口貘 「詩とはなにか」
...漠然とした考えに...
山本周五郎 「契りきぬ」
...漠然とこの図のように想像していたのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索