...広漠たる氷雪の世界に放り出されたおもいで俺は...
高見順 「いやな感じ」
...この掴まえどころのない漠たる大都会に立って...
谷譲次 「踊る地平線」
...ついこの間降って融けかけている雪に蔽われた広漠たる野づらを越えて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...後の感銘は実に索漠たるものだった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...佗びしい索漠たる感じが四方から寄せてきた...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...再び空漠たる所へ消え失せてしまった...
豊島与志雄 「理想の女」
...幻の戦いの漠たる叫喊(きょうかん)の響きを...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...走るべき広漠たる平野なからざるべからざる事に心付きたり...
永井荷風 「矢立のちび筆」
...しかしアメリカ西部のあの広漠たる沙漠地帯を横切って...
中谷宇吉郎 「アラスカの氷河」
...北海道でほとんど放置の状態にあるあの荒漠たる泥炭地の開墾にも...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
......
仁科芳雄 「日本再建と科學」
...去年はアパートの五階に住み荒漠たる洋室の中壁に寢臺(べつと)を寄せてさびしく眠れり...
萩原朔太郎 「氷島」
...訪ふものは扉(どあ)を叩(の)つくしわれの懶惰を見て憐れみ去れども石炭もなく煖爐もなく白堊の荒漠たる洋室の中我れひとり寢臺(べつと)に醒めて白晝(ひる)もなほ熊の如くに眠れるなり...
萩原朔太郎 「氷島」
...「吊籠と月光と」の、あの冒頭の言葉の後に展けた、広漠たる、明るい山と原野と森のある世界を、馬に乗つて駈け廻る自分の姿は、その心持は、村を棄てて、都に出ても続いて私に健やかな夢を与へた...
牧野信一 「昭和五年に発表せる創作・評論に就て」
...見渡す限り樹木の一本もない広漠たる草原だつた...
牧野信一 「山を越えて」
...茫漠たる想ひにばかり酔つてゐる己れの存在が周囲の者の内心に如何(どん)な悲しみを与へてゐることだらう――そんな弱々しく尤もらしい屈托などにまで走つた...
牧野信一 「雪景色」
...それを茫漠たる空間にほっておかないで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――この空漠たる彼方の無限の水平線の背後にいたるまで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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