...猫(ねこ)のような声で小さく呼びかわすこの海の砂漠(さばく)の漂浪者は...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...「砂漠ばかりじゃありませんよ」加納は苦笑いをした...
梅崎春生 「狂い凧」
...サワラ砂漠の砂嵐(すなあらし)...
海野十三 「少年探偵長」
...サハラの大砂漠の最中(まんなか)に投げ出されたようなものだ...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...幽谷の闇の曙(あけぼの)にめざめて偉大なる茫漠の胞衣(えな)をむかへる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...如何(いか)なる天才も沙漠の中にヒョックリ生まれるものではない...
津田左右吉 「偶言」
...あたりの光景は生気のない沙漠のようであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...砂漠(さばく)でらくだがうずくまっていると飛行機の音が響いて来る...
寺田寅彦 「映画時代」
...実に当時の大勢はあたかもアラビアの砂漠海に現われたる白雲紅火の円柱が...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...――その情熱が砂漠の情熱に終ることのないようにということが...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...その人柄の漠然たる感じを記憶してるだけで...
豊島与志雄 「白蛾」
...ただ漠然と心を惹かれることがあるだろう...
豊島与志雄 「「紋章」の「私」」
...挨拶が漠々たると共に...
夏目漱石 「虞美人草」
...甚(はなは)だ漠然(ばくぜん)たるもので...
「文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎」
...それまで漠然としてゐたのに...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...私も目的のない漠然とした意志のもとに...
室生犀星 「幼年時代」
...沙漠の砂に住んでいるのは砂の色をしている...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...遥(はる)かに利根山奥を望(のぞ)むに雲烟(うんえん)濛々(もう/\)前途漠焉(ばくえん)たり...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
便利!手書き漢字入力検索