...寧ろそれ等よりも何か漠然としたものの為だった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...漠々(ばくばく)たる大虚の中に散乱せる物質は一団また一団相集合して...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...あの茫漠(ぼうばく)たるアジア大陸の荒野の上を次第に南に向かって進んでいるという感じがかなりまで強く打ちだされていることは充分に認められる...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...漠然とした不安からである...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...皇帝の周囲にはいかに思想の沙漠(さばく)が横たわっていたことであるか! それは広漠たる砂原の上に照るアフリカの太陽であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...荒凉たる沙漠や原野がないために...
永井荷風 「妾宅」
...千駄木(せんだぎ)の崖上(がけうえ)から見る彼(か)の広漠たる市中の眺望は...
永井荷風 「日和下駄」
...そんなような漠然たる妖気を見破らんがために歩いているのではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...歓(よろこ)びがあるはずなのに気の抜けた漠然(ばくぜん)とした寂しさ...
中島敦 「李陵」
...カリホルニア州の沙漠地帯のはしにあるため...
中谷宇吉郎 「アメリカの沙漠」
...沙漠の中の川に水が流れ...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...別にどうもしやしないさ……」私は漠然と答へ返した...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...謎々じゃ)お京の手紙は茫漠としていて...
火野葦平 「花と龍」
...最近の小説があまり面白くないから、何か面白い読み物をという、漠然たる、ジャーナリストのホイムシイ〔(whimsy =奇抜なもの気まぐれ、もの好き)〕によってつくりあげられた文学であって、文学作品は実話を基礎としなければならぬというような主張にもとづいているものではない...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...第八章 無為についてモンテーニュはここに漠然と簡単ながら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...少年時代にわずかに諸芸のうわっつらをなめたことがあるだけで・そのごく大体の漠然とした表面を捉えているにすぎない・つまり全くフランス式でいろいろなことを少しずつかじってはいるが完全には何一つ知らない・一人の男の夢物語にすぎないことは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...茫々たる沙漠を見つめております...
夢野久作 「鼻の表現」
...大沙漠の彼方から飛んで來たのであつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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