...漠然とした悲しみに...
伊藤野枝 「転機」
...その領土の大部分を占むるユトランド(Jutland)の荒漠を化してこれを沃饒(よくにょう)の地となさんとの大計画を...
内村鑑三 「デンマルク国の話」
...まっ白い砂漠の上に砂煙をうしろへまきあげつつ着陸したところは...
海野十三 「三十年後の世界」
...まるで砂漠みたいじゃないか...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...まだ漠として何とも調べようがありません...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...各国の事情は漠として相い関せず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...自分は歸朝の途中にアラビヤの沙漠を眺めた時...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...空漠(くうばく)なる余の頭に陸離(りくり)の光彩を抛(な)げ込(こ)んでくれたジェームス教授も余の知らない間にいつか死んでいた...
夏目漱石 「思い出す事など」
...漠然と江戸中に擴がつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...未來の漠然たる幸福――幸福があるだらうといふ運命の豫約――を期待して居る...
萩原朔太郎 「易者の哲理」
...意味の掴(つかま)えどころなく漠然としたものはないであろう...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...即ち理想主義と言う言葉は、或る概念されたる、一の名目ある観念への理想を意味し、浪漫主義という言葉は、或る漠然とした、名目なきイデヤへのあこがれを意味している...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...認識が曖昧(あいまい)漠然としているのである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...いつか頭の隅で漠然と感じられた...
萩原朔太郎 「ラヂオ漫談」
...ゴビの沙漠(さばく)の中で...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...沙漠という自然の事情と...
宮本百合子 「イタリー芸術に在る一つの問題」
...そうしてその絵巻物を欲しがる目的は……といったような漠然たる疑いを抱くようになったものらしいが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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