...その架空の何人かに漠然とした嫉妬を感ずることである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...白昼でも裸馬を駆って砂漠をつっ走り...
梅崎春生 「狂い凧」
...漠然たる不吉の予感がにがく私の胸をつつんだ...
梅崎春生 「桜島」
...医師の鑑定ではその日の午後という程度の漠然とした事しか分らなかった...
江戸川乱歩 「悪霊」
...この将来の幻が実に漠然とした曖昧なふらふらしたものだったのだ...
ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン Pyotr Alekseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...最も漠とした、うたがわしい言い伝えによると、ここにかつて宿屋が立っていたそうである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...それで市民自身で今から充分の覚悟をきめなければせっかく築き上げた銀座アルプスもいつかは再び焦土と鉄筋の骸骨(がいこつ)の砂漠(さばく)になるかもしれない...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...この方向がとりも直さず漠然とした復古主義なのだから...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...それをして砂漠の情熱たらしむるか否かは...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...瞑想(めいそう)によって描き出されたあらゆる理論の漠然(ばくぜん)たる姿は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...およそ推察はつくがしかし漠然(ばくぜん)たる言葉にすぎなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...山のむこうにはまた空漠たる曠原が待ちうけているのだろう...
久生十蘭 「新西遊記」
...この命題はその表現が確かに漠然としているが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...何か微妙な漠然たる驚愕とともに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...わたしは漠然と、もろもろの学芸の名称とそれらが何を論じているかを知っているが、しかしそれ以上には何も知らない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いずれが負けやら戦雲漠々...
吉川英治 「三国志」
...伝説および漠然とした記憶(*3-2)のほとんどが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...漠然たる神秘感が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??