...沙漠の上にある淋しさにも似て」これは全く真実の感じだ...
魯迅 井上紅梅訳 「鴨の喜劇」
...僕の腕の漠然たる感触では隣の男は柔かい毛の外套を着ているらしいが...
梅崎春生 「蜆」
...余り漠然としていますからね...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...前に述べたいわゆる適応の性質はことごとくそれであるが、代々優ったもののみが生き残って、その性質を子に伝えたとすれば各種の動物に餌を取る装置や、敵から逃れる能力がよく発達しているのは当然と思われ、漠然ながらも、一応はわけが解ったような心持ちがする...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...詮じ來れば漠然無意義の語なる此の如し...
竹越三叉 「世界の日本乎、亞細亞の日本乎」
...漠然とした、無意識のうちに魂の孕(はら)む夢といつた風なものだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その思付きはただごく漠然たるものであり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...砂漠と苦海の外には何もない荒涼落莫(らくばく)たるユダヤの地から必然的に一神教が生れた...
寺田寅彦 「札幌まで」
...数々のかなり漠然(ばくぜん)たる研究題目とそれに対して支給すべき零細の金額とを列挙してそれらの問題の研究引受人を募ることがあるようであるが...
寺田寅彦 「自由画稿」
...彼女の利己主義は漠然(ばくぜん)たる抽象的な色に塗られていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...茫漠たる眠りの中に...
豊島与志雄 「聖女人像」
...巨男(おおおとこ)は広い広い沙漠(さばく)をくる日もくる日も歩いていきました...
新美南吉 「巨男の話」
...砂丘まじりの地表が茫漠とひろがり...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...舞台正面に大きく露台を取り、断崖の下に、広く砂漠と川、および、夕色に煙る抗愛山脈が遠く望見される...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...可荅安(カダアン)の砂漠に...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...ただ燃えている砂漠であった...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...沙漠は癩病めいた月光に尚も輝いていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...漠然として神秘的直感を待ち受けているのではない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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