...膏血(かうけつ)淋漓(りんり)たり...
芥川龍之介 「鴉片」
...悲痛淋漓(りんり)の感に打たれて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...屈(こごん)でくゞる軒下を出でくる時は銃剣の鮮血淋漓(りんり)たる兵が...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...初夏(はつなつ)の夕映(ゆうばえ)の照り輝ける中に門生が誠意を籠(こ)めて捧(ささ)げた百日紅(ひゃくじつこう)樹下に淋しく立てる墓標は池辺三山の奔放淋漓(りんり)たる筆蹟にて墨黒々と麗わしく二葉亭四迷之墓と勒(ろく)せられた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...淋漓たる汗を靈泉にあらひ去りて...
大町桂月 「八鹽のいでゆ」
...墨痕淋漓として乾かざれども...
高山樗牛 「瀧口入道」
...閃めく兵車曳く馬も淋漓の汗に苦まむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その下の淋漓の汗に惱みつゝ腕疲れたる勇將は...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...かくして波は兩將の膚より淋漓わきいでし汗を全く洗ひ去り氣を爽になせる時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...腕(かひな)も肱も一齊に皆悉く疲れはて淋漓の汗に惱まさる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...吹きしぶく雨淋漓(りんり)としてガラスにしたたり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...国民の眼から見て何か淋漓たるものがあるだろうと思われる...
戸坂潤 「社会時評」
...おおかた流汗淋漓(りゅうかんりんり)大童(おおわらわ)となって自転車と奮闘しつつある健気(けなげ)な様子に見とれているのだろう...
夏目漱石 「自転車日記」
...淋漓(りんり)とした大文字が数行...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...慷慨淋漓(こうがいりんり)...
正岡子規 「曙覧の歌」
...そこにはもう墨色淋漓たる女達磨の絵が出来上がつてゐた...
吉井勇 「酔狂録」
...彼の父子の淋漓とした墨いろと詩懷がまざ/\受けとれる物ではあつたが...
吉川英治 「折々の記」
...淋漓(りんり)たる血を示して...
吉川英治 「三国志」
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