...彼女の唇をかすかに漏れてくる吐息とともに...
池谷信三郎 「橋」
...けっして水が漏れてくるようなことはない...
江戸川乱歩 「影男」
...声はその拡声器から漏れてくるのだ...
江戸川乱歩 「影男」
...ぶきみなしわがれ声が漏れてくる...
江戸川乱歩 「影男」
...すこし頽(くず)れて時おり隣の灯の漏れてくる壁の処へ行って顔をぴったりつけて好奇(ものずき)に覗いて見た...
田中貢太郎 「牡丹燈記」
...庭の中から漏れてくるピアノの音...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...ほのかな灯の漏れてくる家々の尽きたあたりで...
壺井栄 「大根の葉」
...泣聲の漏れてくる戸口を指して見せた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...庭の中に立っている湯殿の中から漏れてくるのであって...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...敷居のところから漏れてくるらしいある臭気に打たれた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ヴォーケ夫人と料理女は漏れてくる声を聞き取ろうと耳をそばだてた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...やるせないためいきが漏れてくるような気がする...
久生十蘭 「あなたも私も」
...この堂宇の裏から陰気な犬の遠吼(とおぼ)えのような唸(うな)りが絶え間なく漏れてくること...
室生犀星 「天狗」
...(もちろんその騒ぎを知らない筈はないのに)漏れてくる灯のけはいもなかった...
山本周五郎 「風流太平記」
...梢を漏れてくる日の光りが...
山本周五郎 「山彦乙女」
...誦(じゅ)すともなく唱(とな)うるともない十句観音経(かんのんぎょう)の声が――声というよりはおのずから出る呟(つぶや)きのように漏れてくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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