...おら先に寝るから」といって疲れた父は納戸(なんど)へ這入るが否やすぐ鼾(いびき)を漏らすのであった...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...その不平を吉弥はたびたび僕に漏らすことがあった...
岩野泡鳴 「耽溺」
...あの巡査がその鬱忿(うつぷん)をこちらへ漏らすのだから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ホッと溜息を漏らすと...
海野十三 「雷」
...ここに書き漏らすことの出来ないのは...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...余は遂に未遂の大望を他に漏らす能わざるなり...
高浜虚子 「子規居士と余」
...満足らしく溜息を漏らす...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...母は胸中の悶々を漏らすべきただ一の道として...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ゴンクウルはこれらをも細大漏らす事なく精細に記述し批評したる後(のち)巻末に歌麿が秘戯画の説明を加へたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...フェノロサの研究は浮世絵の各流派を挙げて漏らす処なく堅実にして綿密を極めたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...己(おの)が師をさえ侮るの語気を漏らすことがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...漏らすことなく記憶して居りましたが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...人に漏らす気遣いはない」手習師匠の光川左門太(みつかわさもんた)は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あのハーバートが細部を漏らすとは信じたくありません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...ぜひメイの計画に賛成したいと漏らすと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...うっかり重大な秘密を漏らすところだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...ときに鮮血を漏らすことがあるという事実から判断した結果である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...つい漏らす呻き声の外...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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