...公等を討つて憤を漏らすの餘儀なき今宵である...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...おら先に寝るから」といって疲れた父は納戸(なんど)へ這入るが否やすぐ鼾(いびき)を漏らすのであった...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...他人に漏らすようなことはけっしてありません...
江戸川乱歩 「影男」
...さらに書き漏らすことのできない古い魔術作家がもう一人ある...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...消息は主として同人仲間の消息を漏らすのであったので自然楽屋落ちになることは止むを得なかったことである...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...他(はた)の批評を一句も聞き漏らすまいといつもおど/\と慄(ふる)へてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...漏らすに由(よし)なく...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ゴンクウルはこれらをも細大漏らす事なく精細に記述し批評したる後(のち)巻末に歌麿が秘戯画の説明を加へたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...フェノロサの研究は浮世絵の各流派を挙げて漏らす処なく堅実にして綿密を極めたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その余憤を漏らすというようなわけでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...漏らすことなく記憶して居りましたが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...人に漏らす気遣いはない」手習師匠の光川左門太(みつかわさもんた)は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...村右衛門に脅(おど)かされた言葉が恐ろしくて秘密を漏らす間もないうち...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人に漏らす氣遣ひはございません」「容易ならぬ大事だが」「それぢや何んにも仰しやらずに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日ごろのうっぷんを漏らすのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「もう少ししたら彼女は何か漏らすだろう」そう彼は考えた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...逃げ足速い敵の大将を討ち漏らすものかという一心から...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...独りで苦笑いを漏らすことがあった...
蘭郁二郎 「鉄路」
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