...そこに漂っている微笑を認めると...
芥川龍之介 「路上」
...そして漂流器を少佐にかぶせた...
海野十三 「怪星ガン」
...フラフラと漂(ただよ)っているというわけだった...
海野十三 「空襲葬送曲」
...その老いて若い生命と漂渺たる想とをみづからの高い匂にこめて...
薄田泣菫 「独楽園」
...そして夜のプラットフォームに漂う光線の屈折――それらの総合による場面的効果は...
谷譲次 「踊る地平線」
...不完全の中に漂はせて見ることである...
田山録弥 「自からを信ぜよ」
...不気味な空気が漂うている...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...一種異様な異国情調の漂蕩(ひょうとう)に堪えられなくなってしまったと見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...南極海で十四カ月も漂流し...
久生十蘭 「南極記」
...夏らしい匂(にお)いが漂(ただよ)い出しているのだった...
堀辰雄 「美しい村」
...路易は地下室に漂つてゐるやうな薄暗い光線の中に誰であるかちよつと見當のつかない娘が一人向うむきに立つてゐる夢を見た...
堀辰雄 「顏」
...その玄室(げんしつ)の奥ぶかくから漂ってくる一種の湿め湿めとした気とともに...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...やがて中空に浮んで大うねりを漂はせながら一列に並んでしまふ...
牧野信一 「鱗雲」
...それはただ流れる、むしろただ漂ふ...
三木清 「人生論ノート」
...まだ名残(なごり)がそこらに漂っているように思われた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...四時には明け方の微かな明りが漂いはじめるからだ...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...潯陽江(じんようこう)(九江)の北岸へ漂いついた...
吉川英治 「三国志」
...何処ともなく漂っているように感じられるのであった...
蘭郁二郎 「自殺」
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