...到底昔のように滾々(こんこん)とは言葉が湧いて来ないので...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...すつかり生きかへつた様な気がするわ』『本当だ……』『こんなところにこんな好い清水が湧き出してゐるとは知らなかつたのね』『本当に……』清水は静かに滾々として湧き出してゐる...
田山録弥 「磯清水」
...いくら汲んでも汲んでも尽きない新しい泉が滾々として常に流れ出して来てゐた...
田山録弥 「私の考へてゐる事」
...清冽の水滾々と湧き...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...滾々(こんこん)としてふき出している泉や...
中里介山 「大菩薩峠」
...路傍には美しい清水が滾々(こんこん)と湧いている...
中里介山 「大菩薩峠」
...その間を流れる田川の如きも芹(せり)やその他の水草が青々として滾々(こんこん)と水の湧き口などが幾つも臍(へそ)のような面白い窪みをもくもくと湧き上げたものだが...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...言葉丈は滾々として...
夏目漱石 「それから」
...暫(しば)し数行(すこう)の血涙(けつるい)滾々(こんこん)たるを覚え...
福田英子 「妾の半生涯」
...甘い温(あった)かな乳汁(ちち)が滾々(どくどく)と出て来て...
二葉亭四迷 「平凡」
...滾々として湧沸る熱情より他に...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...これは去年病中に『水滸伝(すいこでん)』を読んだ時に、望見前面、満目蘆花、一派大江、滔々滾々、正来潯陽江辺、只聴得背後喊叫、火把乱明、吹風胡哨将来、という景色が面白いと感じて、こんな景色が俳句になったら面白かろうと思うた事があるので、川の景色の聯想から、只見蘆葦叢中、悄々地、忽然揺出一隻船来、を描き出したのだ...
正岡子規 「句合の月」
...滾々(こんこん)と湧き出づるもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...石垣の隙間を漏れる泉のように滾々(こんこん)として流れ始めると...
横光利一 「日輪」
...自己の一体に溶けて一つの力となって生命の泉を滾々(こんこん)と音立てて湧かして来ない...
吉川英治 「剣の四君子」
...サラサラサラサラ……という水音がしてたちまち滾々(こんこん)とあふれてくる清冽(せいれつ)が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...湯が滾々(こんこん)とあふれている...
若杉鳥子 「浅間山麓」
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