...まことに濁流滾々(こんこん)として...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...滾々(こんこん)としてどこからか溢(あふ)れて来る...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...急に滾々(こんこん)と精力の泉が湧きだしてきたように思えて肩の凝りも半分ぐらいははやどこかへ吹き飛んでしまった...
海野十三 「三人の双生児」
...自分の胸の中にある秘密の井戸から滾々(こん/\)と湧き上って来る快感が...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...こんなに滾々と湧く水も得ました』岩下先生のお顏は...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...路傍には美しい清水が滾々(こんこん)と湧いている...
中里介山 「大菩薩峠」
...右は滾々として自ら級をなすものあり...
長塚節 「草津行」
...十二私は其の時から直ちに滾々(こんこん)たる眠りに陥りました...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...甘い温(あった)かな乳汁(ちち)が滾々(どくどく)と出て来て...
二葉亭四迷 「平凡」
...その物語の静かな表面に滾々(こんこん)と湧(わ)きあがってくるところを書き終えたばかりのところだった...
堀辰雄 「美しい村」
...滾々として湧沸る熱情より他に...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...滾々と滴り落つる香水のやうな色彩と甘味とを含むで居る筈だ...
牧野信一 「青白き公園」
...くるめく 井戸の小車天をうつす 底ひの 水滾々(こんこん)と湧き満ち ささやかになりわれを待つ...
宮本百合子 「五月の空」
...おそらくあなたの胸のそのあたりにそのような深さで滾々(こんこん)と湛えられている思いが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...サラサラサラサラ……という水音がしてたちまち滾々(こんこん)とあふれてくる清冽(せいれつ)が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...滾々(こんこん)とあふれる神泉をもう一柄杓(ひとひしゃく)掬(すく)って...
吉川英治 「新書太閤記」
...この留守宅の湯殿に滾々と湧いてゐる温泉に身を浸した...
若山牧水 「樹木とその葉」
...すべての面と線とから滾々(こんこん)としてつきない美の泉を湧き出させているように思われる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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