...岩の裂目から滾々(こんこん)と...
太宰治 「走れメロス」
...筆を執らずには居られない程思想が滾々と流れ出るので...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...滾々として鮮血を吐き出し乍ら斃れふし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...折れた針の創(きず)から滾々(こんこん)と湧き出す血汐を面白そうにながめています...
中里介山 「大菩薩峠」
...滾々(こんこん)として湧(わ)いて出た...
夏目漱石 「門」
...彼の舌の先から唾液(だえき)を容赦なく我輩の顔面に吹きかけて話し立てる時などは滔々滾々(とうとうこんこん)として惜(おし)い時間を遠慮なく人に潰(つぶ)させて毫(ごう)も気の毒だと思わぬくらいの善人かつ雄弁家である...
夏目漱石 「倫敦消息」
...血潮は滾々(こんこん)として頬から襟へ滴っているではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十二私は其の時から直ちに滾々(こんこん)たる眠りに陥りました...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...暫(しば)し数行(すこう)の血涙(けつるい)滾々(こんこん)たるを覚え...
福田英子 「妾の半生涯」
...そこに滾々(こんこん)たる興味が尽きせぬからである...
藤島武二 「画室の言葉」
...いやさ死期(しご)を緩(ゆる)べて呉れていようというソノ霊薬が滾々(ごぼごぼ)と流出る...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...その物語の静かな表面に滾々(こんこん)と湧(わ)きあがってくるところを書き終えたばかりのところだった...
堀辰雄 「美しい村」
...滾々(こんこん)としてその趣向の尽(つ)きざるを見て...
正岡子規 「墨汁一滴」
...くるめく 井戸の小車天をうつす 底ひの 水滾々(こんこん)と湧き満ち ささやかになりわれを待つ...
宮本百合子 「五月の空」
...おそらくあなたの胸のそのあたりにそのような深さで滾々(こんこん)と湛えられている思いが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...滾々(こんこん)として流れている大きい水の方へ進んだのである...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...石垣の隙間を漏れる泉のように滾々(こんこん)として流れ始めると...
横光利一 「日輪」
...すべての面と線とから滾々(こんこん)としてつきない美の泉を湧き出させているように思われる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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