...横の崖か巌(いわ)を滴る...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...清水の滴る處あり...
大町桂月 「春の筑波山」
...まだき滴る言の葉の美(うま)しにほひは...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...そしてきやしやな指先きに露の滴るやうな花束をとり上げて...
薄田泣菫 「茶話」
...近(ちかづ)けば木蔭の噴水より水の滴る響(ひゞき)...
永井荷風 「夜あるき」
...その生血の滴る現実感の圧迫にはこたえざるを得ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...「藤尾が一人出ると昨夕(ゆうべ)のような女を五人殺します」鮮(あざや)かな眸に滴るものはぱっと散った...
夏目漱石 「虞美人草」
...空中に滴る雨の音や...
林芙美子 「雨」
...」松田さんは沈黙って竹の皮から滴るように紅い肉片を取って鍋に入れていた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...痙攣的に顫える手で額部に滴る冷たい汗を拭っている...
牧逸馬 「双面獣」
...しきりにゆらめいては滴るので...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...何処の家に筧があつて夏になると涼しい水音が滴るとか...
室生犀星 「鉄の死」
...はてしない大空の滴るような紺青のなかに溶け...
山川方夫 「昼の花火」
...石鹸の泡が滴ると...
横光利一 「上海」
...滴る露の中に瓜の花と蜂の群とが無數に喜び躍つてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
...葉は花よりも先に萌え出でて單紅色の滴るごとくに輝いてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
...實に滴る樣な鮮かな紅ゐの色をしてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...日の光を含んで滴る樣に輝いてゐる眞上の紅葉を仰ぎ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索