...亡者は爭ひてかの露の滴りおつるを承(う)けむとせり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...その尖端の穴を通してほんの少しの毒の滴りを流すやうになつてゐて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...露の滴りの水も草木のうちを循(めぐ)つてゐる汁液の水も...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...巖の中より滴るしづく、滴り/\て、凍りて大氷柱をなし、小龕をかこみて、白玲瓏たり...
大町桂月 「冬の榛名山」
...彼はそれでもって初冬の太陽から水の滴りのような「孤寒」と「静思」とをそっと汲み取るのである...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...私の心のうちに滴り落ちるので...
薄田泣菫 「独楽園」
...夜雨の名残が地面に滴り大地を潤した...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...その聖神の社の近くにある楠の大木は伐ろうとして斧を入れると血が滴り...
田中貢太郎 「鷲」
...そこから点々と血の滴りが糸をなして...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこには地下の霊液がぽたりぽたりと滴り落ち...
西尾正 「墓場」
......
原民喜 「魔のひととき」
...五月の日の光は滴り...
原民喜 「夢と人生」
...なんともいえない不快な感触で滴り落ちた...
久生十蘭 「ノア」
...垂れ下つた葡萄の實の先端からまだ雨の滴りがゆるやかに落ちてゐた...
横光利一 「妻」
...温まっては滴り落ちる雫(しず)くのような音である...
横光利一 「洋灯」
...僕等も試みに小刀(ナイフ)を取つて欠刻を附けて見ると直(すぐ)に牛乳の様な液が滴り...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...倦まざる單調な水の滴りが同じ陰氣なポタン...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...山も森も何れもみな月光の裡に睡つて水の滴り相な輪郭を靜かな初秋の夜の空に瞭然(はつきり)と示して居る...
若山牧水 「姉妹」
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