...Xはつねに滴り落ちている...
有島武郎 「星座」
...枯朽とを静かに見入ったり繁みの中から水のように滴り出る小鳥の歌にじっと聴きとれたりした...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...私の心のうちに滴り落ちるので...
薄田泣菫 「春の賦」
...軽蔑と恐怖と憎悪との毒液は滴り落ち...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...また私にとっては切腹の皮切りであった「黒い眼と茶色の目」が血が滴り姿で出雲町から尾張町までのこ/\煉瓦の通を引越して行くなども異な気がします...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...伸び切つた若葉の尖つた葉末から滴りもせずに留つて居る雨の雫が...
永井荷風 「花より雨に」
...件(くだん)の血の滴りといっても...
中里介山 「大菩薩峠」
...汀には木の葉の滴りが水に大きな輪を描いて水馬が小さな輪を描いて居る...
長塚節 「佐渡が島」
...そこには地下の霊液がぽたりぽたりと滴り落ち...
西尾正 「墓場」
...あまつさへ長い泥鰌髭のさきからぽたぽた滴り落ちる汗を...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...腕や肩に繃帶のしてあるその怪我人のシヤツを開いて後(あと)から後(あと)から滴り落ちる血を拭ひ去つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...一面滴り――その華奢な茎から絶え間ない涙が珠とこぼれる...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...滴りを垂らした水々しい白魚の一群が...
横光利一 「上海」
...胡桃の枝からずきりと重く突き刺さるやうに滴りが頭の上へ落ちて來た...
横光利一 「榛名」
...温まっては滴り落ちる雫(しず)くのような音である...
横光利一 「洋灯」
...鮮紅の茨の実が滴り落ちた秘玉のようで...
横光利一 「夜の靴」
...手にあまる柔軟な滴りをまだ矢代は彼女から受けたことがなかった...
横光利一 「旅愁」
...星より滴り落ち冗談ないしは失策によって地球生物をこねくり出した大いなる古きものどもにまつわる原初の神話を思い出すこととなった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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