...それは僕の血肉には幸か不幸か滲(し)み入らなかった...
芥川龍之介 「追憶」
...実際に於て過去は私の中に滲(し)み透り...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...これもちょうど雨粒の大きさを吸取紙に滲ませるようなもので...
石原純 「雨粒」
...電鍵(でんけん)を握る指端(したん)にはいつの間にかシットリと油汗(あぶらあせ)が滲(にじ)み出ていました...
海野十三 「壊れたバリコン」
...その石鹸水が身體を傳つて段々足から洗濯ものの上に落ちて滲み込んでいく...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...額(ひたい)のあたりに滲(にじ)み出(で)た油汗が...
海野十三 「人造人間殺害事件」
...滲(にじ)み出して来る様な気がする...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...赤ん坊の泣きわめく聲が湧き起りうす汚ない朧ななりをしたそこら界隈の男や女が小供を肩車に乘せたり三人も五人も一人でゾロ/\引張つたり火事で燒き出された人のやうに小供の着替やむつきを兩の小脇に一杯抱へて恐ろしい路次の闇から異形な風で現はれ赤い燈火が滲みもう/\と暖い煙の蒸しこめた錢湯へ吸ひこまれて行く...
千家元麿 「自分は見た」
...見るもののすべての上に灰色の悲しみが水の滲みるように拡がって行った...
寺田寅彦 「異郷」
...所々に街灯がぼうっと滲(にじ)んで見える...
中島敦 「光と風と夢」
...いかな私でも知らず知らず眼に涙が滲(にじ)み出る...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...額からはタラタラと油汗が滲(にじ)み出します...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...掌から滲みだす脂汗で岩膚がぬらつき...
久生十蘭 「一の倉沢」
...燦たる栄誉の蔭に血の滲む不撓の精励文化史に不滅の足跡十一年度朝日文化賞が讃える業績「文化日本」のため絶大な貢献をなした功績者として一月二十五日東京朝日新聞社において昭和十一年度の「朝日賞」を贈呈される九氏――わが植物学界の至宝...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...膝ッ小僧を擦り剥いて血を滲ましたろう...
正岡容 「寄席」
...光(ひかり)は柔(やはら)かに私(わたし)の胸(むね)に滲(し)み入(い)つたのである……...
水野仙子 「日の光を浴びて」
...滲透し切れなかつた結果であらう...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...三筋(みすぢ)の麻縄(あさなは)で後手に縛(しば)つて柱(はしら)に括(くヽ)り附けた手首(てくび)は血が滲(にじ)んで居る...
與謝野寛 「蓬生」
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