...蘇芳(すはう)に滲(し)みたやうでございます...
芥川龍之介 「藪の中」
...狹い額には汗が滲んでゐる...
石川啄木 「鳥影」
...蠍はそれを傷の中に滲ますのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...今ずんずん地底へ向けて滲みこんでいるという報告が来ている...
海野十三 「今昔ばなし抱合兵団」
...しつとりと木の間木の間に滲み入らうとしてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...その黒い美しい眼に滲み出して来る涙が何んなに美しかつたであらうか...
田山録弥 「ある日」
...いつの間にか、分量の多くない血ではあったが、下腹一面が、薄く、血染めになって、帯の辺まで、滲み出していた...
直木三十五 「南国太平記」
...滲み出ているようであった...
直木三十五 「南国太平記」
...「身の上や」の句から滲みでる哀傷の人生を表現するほどのものは企て及ばない...
長谷川伸 「身の上や」
...法の道の深さありがたさは身にしみじみと滲みわたり今やようやく前途一縷の光明をさえみいだすことができそうになっているではないか...
正岡容 「小説 圓朝」
...深く美しく滲みだしてはゐるからである...
正岡容 「寄席風流」
...身重の女が全身から滲み出しているものは...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...もしこの学問が不可思議な滲透によって我々のうちにしみ入るのでなければ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...潮湿りの錆を滲ませた胴から水を吐いた...
横光利一 「旅愁」
...語り尽きない残り惜しさを滲(にじ)ませていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...娘のひたいに小さな血が滲(にじ)み...
吉川英治 「新・水滸伝」
...霧の宵闇のうちに滲(にじ)んでいた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...たいそう深川の水に滲(し)みた通人(つうじん)におなりだね...
吉川英治 「春の雁」
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