...渠は身づからこの夜の氣を吐いてゐる樣な心持ちになり、その氣の中に浮ぶ東京、樺太、失敗、失戀、札幌の滯在等が、目がねでのぞく綺麗な景の樣に、自分の世界と見える...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...血が一旦冷くなつて滯つてしまへば...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...× × ×以上が啄木の仙臺滯在中私共との交渉全部であります...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...主人が滯京中此の題に決めたとの便りでございましてので...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...彼がある所用で(それもやはりある遺産相續にからまる訴訟沙汰であったが)まる一年もT市に滯在していた時彼が戀し...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...今あなたはたかがもう一週間の滯在だと仰しゃったですな...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...運送に停滯なからしめた...
長岡半太郎 「ノーベル小傳とノーベル賞」
...そこに一月餘(ひとつきあま)りも滯在(たいざい)してゐるうちに九月(ぐわつ)になり掛(か)けたので...
夏目漱石 「門」
...ハキハキとして何んの澁滯もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其停滯は科擧の爲めの故にあらず...
原勝郎 「貢院の春」
...京洛に滯在し久しきに渉る者は...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...保養の爲めにマデイラに滯在してゐられたメイスン氏が偶然一緒にゐられたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼はこの作品の後に暫らく停滯し...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...當時羅馬に滯在してキエルケゴオル...
堀辰雄 「或外國の公園で」
...巴里に滯在してゐた當時のリルケ自身の經驗が骨子となつてゐることは疑へない...
堀辰雄 「ハイネが何處かで」
...ヴィアレッジオに二箇月近く滯在してから...
堀辰雄 「日時計の天使」
...一九〇四年引き續き羅馬に滯在...
堀辰雄 「リルケ年譜」
...滯在期日二晝夜を越えたらば...
吉江喬松 「山岳美觀」
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