...のみならず咄嗟(とっさ)に思い出したのは今朝(けさ)滔々(とうとう)と粟野さんに売文の悲劇を弁(べん)じたことである...
芥川龍之介 「十円札」
...紅葉の努力は全幅(ぜんぷく)に滔(あふ)れていたが...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...今でも猶だ其根性が失せないから大きな詐偽や賭博(ばくち)の欺瞞(いかさま)をやつて実業家だと仰しやいますヮ……」と滔々(たう/\)と縁日の口上口調で饒舌(しやべ)り立てる大気焔に政治家君も文学者君も呆気(あつけ)に取られて眼ばかりパチクリさせてゐた...
内田魯庵 「貧書生」
...「臣夙ニ鉱毒ノ禍害ノ滔々底止スル所ナキト民人ノ痛苦其極ニ達セルトヲ見テ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...滔々と何時間か、アイヌ語でペラペラと説教をするのを、ポカンと口を開いたまま、呆気にとられて聞いていたアイヌたちは、博士の長い長いアイヌ語の説教が終ると、感嘆していったということであります...
知里真志保 「アイヌ語学」
...当人が登壇して滔々(とうとう)と論じたかのごとく...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...流るるごとき長州弁に英国仕込みの論理法もて滔々(とうとう)と言いまくられ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...四辺(あたり)は滔々(とうとう)たる濁流であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...世間の滔々(とうとう)たる潮流から見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼の舌の先から唾液(だえき)を容赦なく我輩の顔面に吹きかけて話し立てる時などは滔々滾々(とうとうこんこん)として惜(おし)い時間を遠慮なく人に潰(つぶ)させて毫(ごう)も気の毒だと思わぬくらいの善人かつ雄弁家である...
夏目漱石 「倫敦消息」
...滔々(とうとう)たる流俗に抗する万古不磨(ばんこふま)の穴の集合体であって...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...滔々(とうとう)たる天下...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...塾中に雄弁滔々(とうとう)と能(よ)く喋舌(しゃべっ)て誠に剛情なシツコイ男がある...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...滔々(とうとう)数千言を費して...
穂積陳重 「法窓夜話」
...滔々(とうとう)として翁一流の下懸(しもがかり)式呂張(りょはり)を根柢とした豪壮一本調子な喜多流擬(まが)いの節調を学び初め...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...ふたたびこの汚名と弱味(よわみ)は拭(ぬぐ)われませぬぞ」滔々(とうとう)...
吉川英治 「新書太閤記」
...うかつでした」「どうした韓滔(かんとう)」「敵の中心は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...見ゆるかぎりが一聯の瀑布となつた形でたゞ滔々と流れ下つてゐる...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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