...このようにして作った茶の茶滓に醤油をすこしつけて食うと...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...人生の不幸を滓(かす)まで飮み干さなくては眞の人間になれるものぢやない...
石川啄木 「雲は天才である」
...二人を埋めにかゝる燃え滓を払ひ落した...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...ところが宝永元年にこの地方に大洪水があって、四囲の山々から溢流する出水のために銅山の建造物、人家、銅鉱、溶滓、廃鉱等ことごとく流失した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...残滓(ざんし)のような陳述の不備を絶えず曝露すべきである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...泥まみれの酒の渣滓(おり)に浸した指で...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...にも拘らずこの残滓の事実は何人も承認しなければならぬ処だろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...かつて自由民権時代に封建的な支配の残滓と命がけに闘争したのは新聞記者の内に多かったのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...東洋的精神乃至日本的精神の伝統に於ける反科学的精神に基く残滓は...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...きれいな飮み滓がね...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...読んで了った後に人生の滓(かす)が残る...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...六カ月ばかり前の新聞に、科学研究所のF・Y博士が、燐鉱石の滓には、放射性元素が含まれていて、少し不経済だが、精錬の可能性はあるという発表をしたという記事が出ていた...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...噴火丘をつくっている金滓(シンダー)は...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...たちまち砂のような滓(おり)が澱(おど)んだ...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...なぜかいまわしい感じが滓(かす)のように残った...
室生犀星 「みずうみ」
...滓(かす)のこびり付いていない教義をも覗(のぞ)いて見ることが出来る...
森鴎外 「かのように」
...味噌滓餅と謂つて貯へて置き...
柳田國男 「食料名彙」
...不思議な懐胎には必ず銕滓(かなくそ)を貰(もら)ってきて...
柳田国男 「山の人生」
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