...経験とは要するに私の生活の残滓(ざんし)である...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...何がなしに焦々した不愉快な氣持が滓(かす)の樣に殘る...
石川啄木 「硝子窓」
...上澄(うはずみ)のいゝ處(ところ)を吸(す)つて滓(かす)を讓(ゆづ)る...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...それから四十年を経過した今日に到っても未(いま)だに解し得ない深い謎として私の胸中に滓沈(しちん)されている...
太宰治 「惜別」
...長い過去を持つ支那文明の滓(おり)があの厚みのある濁りの中に堆積しているように思われ...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...……・ダンサマ!こんな言葉――それは封建時代の残滓だ――がこのあたりの人々の間にくりかへされてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...心の皺(しわ)のなかの埃塗(ほこりまぶ)れの甘い夢や苦い汁(しる)の古滓(ふるかす)について...
徳田秋声 「仮装人物」
...汽車のなかで舞い込んだ左の目の石炭滓(せきたんかす)を取ってもらいに...
徳田秋声 「黴」
...併し資本主義の開花に際してどのような封建的な残滓があろうとも...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...きれいな飮み滓がね...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...クラリモンドに愛された僧侶……(以下十数字不明)……詩人たちが謳(うた)う人生の滓(おり)のなかにあって...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...倦怠(けんたい)の苛辣(からつ)な滓(かす)がたまっている……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ずつと以前から私は伊藤君には石炭の燃滓(もえかす)が多いといふやうなことを言つてゐたのでした...
長塚節 「知己の第一人」
...第二回からはその時出来たアルミの金滓を使えばいい...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
......
槇村浩 「長詩」
...因ってこれを留め糠(ぬか)に胡麻滓(ごまかす)を和(ま)ぜて飼い置いた...
南方熊楠 「十二支考」
...ササメ青森縣の上北郡などで、蕨の根から澱粉を取つた殘りの、一番滓をアモ、二番滓をササメと謂ふ...
柳田國男 「食料名彙」
...メカス目糟も挽臼に残る滓のことだったろうが...
柳田國男 「食料名彙」
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