...捨てるにさえ値しない枯れさびれた残り滓(かす)のみではないか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...滓を取り除いたあとの金の粒は...
ジェイムズ・アレン James Allen 大久保ゆう訳 「朝に想い、夜に省みる」
...上澄(うはずみ)のいゝ處(ところ)を吸(す)つて滓(かす)を讓(ゆづ)る...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...彼れの部屋につゞいた庭はだん/\燃え滓が一杯になつて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...人家は燃え滓に埋められて了つたんですか...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...これらの簇葉(そうよう)のようなかたまりは炉のなかの鉱滓(かなくそ)のように土堤にそうてよこたわり...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...顔に蕎麦滓(そばかす)の多い女で...
徳田秋声 「足迹」
...古い滓(おり)が水面へ浮かんで来たように思い出されて来た...
徳田秋声 「縮図」
...大衆はその一通りの被デマゴギー性の残滓にも拘らず...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...クラリモンドに愛された僧侶……(以下十数字不明)……詩人たちが謳(うた)う人生の滓(おり)のなかにあって...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...脳味噌にもまだ酒の滓が残っていそうだ...
豊島与志雄 「女客一週間」
...第二回からはその時出来たアルミの金滓を使えばいい...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...おまけに蝋燭の滓(かす)が一面にこびりついた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...封建制度の残滓から生ずる恐るべき障害が...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...今使去るを見て瓦師に告(い)えらく、我を終身こんな貧家に留め、糠滓を食わせ、土を負わすべからず、わが本分は灌頂位(かんじょうい)を受けて百枚の金蓋(きんがい)その身を覆(おお)う刹利(せつり)大王をこそ負うべけれ、我食時には、雕物(ほりもの)した盆に蜜と粳米(うるしね)を和(ま)ぜて入れたのを食うべきだ、明日また使が来たらこう言いなさい、瓦師は物を識(し)らぬと侮って、智馬と知りながら知らぬ真似(まね)して凡馬の値で買うとは黠(ずる)い、誠(まこと)欲しいなら一億金出すか、僕の右足で牽き来り得る限り袋に金を入れてくれるかと言うべしと教えた...
南方熊楠 「十二支考」
...邸内にイワシの滓が海水と共に流れ込んで来た...
武者金吉 「地震なまず」
...メカス目糟も挽臼に残る滓のことだったろうが...
柳田國男 「食料名彙」
...感情の残滓(ざんし)である...
吉川英治 「新書太閤記」
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