...捨てるにさえ値しない枯れさびれた残り滓(かす)のみではないか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...石の雨が……実際小石と火のついた燃え滓とが雨のやうに降つて来る...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...而(し)かも漠然たる大掴みの語の中に※然(しゃくぜん)として滓(くろな)すべからざる真理が存する...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...窓際の小机には鉛筆の削り滓がちらほら...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「三枚の学生」
...汽車のなかで舞い込んだ左の目の石炭滓(せきたんかす)を取ってもらいに...
徳田秋声 「黴」
...酒の滓が沈澱していて...
豊島与志雄 「女客一週間」
...ずつと以前から私は伊藤君には石炭の燃滓(もえかす)が多いといふやうなことを言つてゐたのでした...
長塚節 「知己の第一人」
...第二回からはその時出来たアルミの金滓を使えばいい...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...泡(あぶ)く銭(ぜに)の下滓(かす)を吸って生きている...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...乞食どもと滓湯酒(かすゆざけ)を飲みわけたり...
久生十蘭 「無月物語」
...鼻の孔から嗅煙草の滓(かす)が...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...金のためにあくせく働くうちに溜った浮き滓で覆われているにもかかわらず...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...水は何時も赤い滓(おり)を沈めてゐたが...
北條民雄 「月日」
...ササメ青森縣の上北郡などで、蕨の根から澱粉を取つた殘りの、一番滓をアモ、二番滓をササメと謂ふ...
柳田國男 「食料名彙」
...味噌滓餅といって貯えておき...
柳田國男 「食料名彙」
...このあたりには鉄を吹きたる滓(かす)あり...
柳田国男 「遠野物語」
...要するにそんなような種々雑多な印象や記憶の断片や残滓(ざんさい)が...
夢野久作 「木魂」
...残して行った文化の残滓(ざんし)やら人心の悪気流やら政治の組織やらも...
吉川英治 「源頼朝」
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