...それより自分の惨(みじ)めさと滑稽さが自分に分つたといふことが重大であつた...
芥川多加志 「四人」
...自分も今度はその滑稽さが...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...それでゐて裁判するなどは滑稽さ...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...突きとばされた彼自身の恰好の滑稽さもふくまれていた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...銃の安全装置までも外(はず)して突入した滑稽さが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...色々な地点からの客観や懐疑はなかつたにしても、人間の弱点や、人生の滑稽さが、裏の裏まで見通された...
徳田秋聲 「和解」
...例えば一頃流行った言葉である「主体的リアリズム」(主体の問題を解決しないようなリアリズムが一体どこにあったか)なるものの滑稽さや...
戸坂潤 「思想としての文学」
...有害な滑稽さでさえあろう...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...最後に折々(をり/\)は滑稽さへ感ずる場合もあるといふ残酷な事実を自白せざるを得ない...
夏目漱石 「点頭録」
...複雑な滑稽さといふものは毛の生えた虱のやうにいやらしい...
北條民雄 「独語」
...滑稽さを憐れむ最も単純なわらひに等しいものなのだ...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...説明を附ける事が余りに怖しく滑稽さへ感ぜられて……その夜彼は机の前に座つた儘ぼんやりとしていつまでも寝やうとしなかつた...
牧野信一 「凸面鏡」
...その行為の滑稽さに目眩んで悪夢の谷に転倒する...
牧野信一 「変装綺譚」
...軽い失望と嫉妬と滑稽さとを感じた...
牧野信一 「若い作家と蠅」
...親愛な滑稽さで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...滑稽さ……そうして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...この沖氏は諧謔と滑稽さとでやすやす若者たちを統御して最後の務めもし終えたのである...
横光利一 「旅愁」
...滑稽さが先に立って矢代も思わず笑った...
横光利一 「旅愁」
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