...併し同時に僕はこれあればこそ世間並に上滑りして通る事から救はれてゐるのだとも思ふ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...棺桶は横に滑り出した...
海野十三 「火葬国風景」
...そのわずかな流れは滑り去る...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...狭いうねうねした路次の方へ滑り込んでいった...
豊島与志雄 「悪夢」
...そのまま人形めいた平常に滑りこんだのであろうか...
豊島与志雄 「ヘヤーピン一本」
...木の露とで滑り易かった...
直木三十五 「南国太平記」
...そのうえ凧糸へ水をフッかけて滑りを留めていたのは念入りでしょう」「…………」「動けない病人だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今にも滑り落ちさうな崖の途中の様な処に住みながらいきな爪弾を楽しんでゐるとは如何した人達であらうと感心して居る心であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...駆けてゐる人達が氷滑りでもしてゐるものゝやうに見えたりもした...
牧野信一 「熱い砂の上」
...氷滑りをして御覧なさいよ...
牧野信一 「歌へる日まで」
...次第に怖ろしい谷に滑り込んで行く自分の佗しい影を見る気がした...
牧野信一 「鏡地獄」
...膝の上から書物が滑り落ちるまで現の遠い幻の国に遊びました...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...するする科白が舌を滑り出るやうな爽やかさを覚へた...
牧野信一 「妄想患者」
...芝の丘で橇滑りをして遊んでゐた...
牧野信一 「山を越えて」
...一気にスィッティング・グリセードで滑り下りた...
松濤明 「春の遠山入り」
...それは決して上滑りをしたものではありません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...枠に対(むか)うと自然に滑り出す...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...あのなだらかな線上を滑り降りて見たい...
吉江喬松 「霧の旅」
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