...少々似てるぢやありませんか? 貴方が僕の小便するのを待つてゐたよりは余程(よつぽど)滑稽ですね...
石川啄木 「道」
...滑々(すべすべ)した表面を持っていたが...
海野十三 「深夜の市長」
...こんなに滑稽なものかと思はれた...
薄田泣菫 「茶話」
...そしていろ/\滑稽(こっけい)極まる邪推をしたり...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...滑つて歩きながら...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...百日紅の枝其ものが滑(すべ)っこく蛇の膚(はだ)に似通うて居るので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...だくだくと壜からこぼれた葡萄酒は赤い血のように静に畳の上を滑って流れていた...
豊島与志雄 「囚われ」
...後の世になったらむしろ滑稽に思われるであろう...
永井荷風 「裸体談義」
...滑(なめ)らかな調子があります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...幾分か重苦しい憂愁(いうしう)の車が滑り出した気がした...
林芙美子 「浮雲」
...滑稽な様子で成吉思汗(ジンギスカン)の白馬のうしろに廻り)ても見事な眺めじゃなあ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...憂鬱さうな自分の姿などは単に滑稽に過ぎぬのかも知れないが...
牧野信一 「裸虫抄」
...これ滑稽中の高等なる者なり...
正岡子規 「古池の句の弁」
...眞面目の趣を解して滑稽の趣を解せざる者は共に文學を語るに足らず...
正岡子規 「萬葉集卷十六」
...床板には滑石(かっせき)がまいてあり...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...円滑性ということについても考えます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...直義、そちもはや三十男、わからぬことはあるまいがの」そのご、み心も和(なご)まれてきたものか、神器は、とまれ円滑に、後醍醐から、持明院統の新帝光明院へ、お譲り渡しになることときまった...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし滑稽とは言えない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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