...滑川にぞ引揚げける...
泉鏡花 「活人形」
...滑稽にかけ落ちていた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...あんまり亭主の様子の滑稽なのに思わず微笑んだ...
橘外男 「逗子物語」
...安重根 (仰向けに寝転ぶ)人間なんて滑稽なもんですねえ...
林不忘 「安重根」
...風狂者によくある嶮(けわ)しさのうちに一脈滑稽じみたところがある...
田畑修一郎 「石ころ路」
...いくらか滑稽味(こっけいみ)さえ帯びた音だけが聞こえる...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...議論の結果は必ず滑稽なユートピアになって了うか...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...しばしば滑稽ではあるが...
直木三十五 「大阪を歩く」
...滑るやうに出ようとすると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...急に船が滑るやうな沈んで行くやうな運動を為始(しはじ)めました...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...――ジジだ! ジジだ! ……成程ジジが滑つてゐる――今日はどうしたのか...
堀辰雄 「羽ばたき」
...堪らなかつた――上滑りの感情で...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...坂の途中から体力に逆つた単なる慣性で止むなく二本の脚が猛烈な威勢で空滑りしたやうなものであつたから...
牧野信一 「創作生活にて」
...尾は滑(すべ)だが...
南方熊楠 「十二支考」
...けむりの影は黒く雪の上を滑りました...
宮澤賢治 「氷と後光」
...どしどしといろんな専門の分野で専門から滑り落ちてゆく人がダンテ的姿で見られるという次第でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...灰白色の陶土のように滑かな地の襞に...
横光利一 「旅愁」
...あいつの毛はまるで滑っこくって油みたいだものなあ……」その日まで私は天下にこうもたくさんな珍らしい物事があろうとはまるで思いも及ばなかった...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
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