...「どう? あたしの見立ては巧いでしょう?」ナオミは両手にお白粉(しろい)を溶き...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...あの人の骨身を湯のように溶き崩してやるつもりであの人と取組んだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...錦子が溶きかけている絵具皿のとけあった色のような春が...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...溶きもしない鮮やかな草色に近い青緑色で...
宮本百合子 「或日」
...その三つを鉢へ入れて先ず大匙一杯のサラダ油を加えてよくよく気長に溶き混ぜます...
村井弦斎 「食道楽」
...原料と申しますと極(ご)く手軽なのがコンデンスミルク大匙二杯を二合のお湯で淡(うす)く溶きます...
村井弦斎 「食道楽」
...先ず玉子を四つ割(わり)まして白身は別にしておいて四つの黄身へお砂糖の篩(ふる)ったのを混ぜてツブツブのないようにこの通りよくよく溶きます...
村井弦斎 「食道楽」
...玉子の黄身と米利堅粉とを牛乳にて溶きかつねりて固くし...
村井弦斎 「食道楽」
...葛を少し溶き込み...
村井弦斎 「食道楽」
...米利堅粉(めりけんこ)を溶き込みてその汁を濃くす...
村井弦斎 「食道楽」
...横合より顔を出す伯母「満の処から何といって来たの」○胡桃餅は奥州の名物にて鬼胡桃の実をよく摺り豆腐を交ぜ水に溶きて砂糖醤油を交ぜその中へ搗(つ)いたばかりの餅を入れたるなり...
村井弦斎 「食道楽」
...私どもはそのまま飲んでも味が大層好いようですが兄は牛乳かあるいはクリームを加えて飲みます」大原「六日目は」お登和「ジャーマン・トーストと申して牛乳と玉子をよく溶き混ぜて塩とお砂糖を加えてそれへ焼きたてのパンを浸(ひた)しておきますと十分間ほどで大きく膨(ふく)れます...
村井弦斎 「食道楽」
...それを湯にて溶き直ちに用ゆるを得...
村井弦斎 「食道楽」
...一つは緑煮(みどりに)といって細かく切った肉を酒と味淋と醤油でよく煮ましてそれから湯煮た青豆を入れてまた煮て溶き葛(くず)でドロドロにします...
村井弦斎 「食道楽」
...むしろ藍(あい)ばんだというよりも濃い紫を溶き分けた...
室生犀星 「姫たちばな」
...傍(かたわら)の机の上に在る固練白粉(かたねりおしろい)を掌(てのひら)で溶きながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...けれど、とにかく、画技なども、女性の教養の一つであったとすれば、家の氏神への納経に、彼女たちも、思い思いに、絵具を溶き、金泥をこころみ、切箔(きりはく)や砂子撒きなどにも手を出して、草花の描き入れや、土坡の染めなどに、筆をとったと見ても、そう間違いはないだろう...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そして掌(てのひら)に少しの白粉(おしろい)を溶き...
吉川英治 「宮本武蔵」
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