...溢るる涙を袖にけして...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...老の兩眼に溢るゝばかりの涙を浮べ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...ダンヌンチオの名が若い時代に若い溢るゝやうな泉を漲らして居る時であつた...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...そうして朝の光の溢るる露の草原を蹴散らして凱歌をあげながら家路に帰るのである...
寺田寅彦 「夏」
...*溢るるばかり壺の中神酒を充たし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...芳醇の溢るゝ盃(はい)を傾けて叫びし聲はいづこぞや?汝ら曰へり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...*アイギュプトスのテーベーの貢獻加へ贈るとも――巨萬の富の滿ち溢るテーベー百の門ありてその各を兵二百馬と車と共に過ぐ――これらをわれに贈るとも...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...水美はしく*二筋に溢るゝほとり來り着く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...屋根もなき荷車に溢るゝばかり積み込まれし行屍走肉...
内藤湖南 「寧樂」
...それでも井堰(いせき)を溢るる出水のように...
中里介山 「大菩薩峠」
...獄門にかけた首に溢るる法悦佐吉に代っておさよ殺しの下手人として縛られたのは...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...いつでも帰っておいでなさい」と真情溢るるがごとき挨拶をした...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...女子の顔の麗くして愛嬌溢るゝ許りなるは春の花の如くなるに反して...
福沢諭吉 「女大学評論」
...コッペの愛情の溢るる計りの詩の本尊で...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...彼女に溢るゝばかりの感謝を覚へてゐた...
牧野信一 「階段」
...溢るるばかりゆたかな...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
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室生犀星 「愛の詩集」
...その声は喜びに溢る...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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